らくだ

プロメアのらくだのレビュー・感想・評価

プロメア(2019年製作の映画)
4.5
主人公が敵対するライバルと結託し、強大な黒幕に立ち向かい世界を変える!!
というスタンダードで面白さが約束されている物語なのですが、そこをただ普通にお届けするのではなく、脚本やシーン描写、設定はスマートさ、整合性を差し置いてとにかく「うるせーーーー!!この沸き立つ”パッション”を喰らえーーー!!!!」という叫びが聞こえてくるような、ケレン味とド派手さ、そしてひたすらの熱さで埋め尽くされた最強のアニメです。ここまで吹っ切った作品にはツッコミどころとかいう概念そのものが野暮なんですよね…ひたすらこの奔流に身を預けるのが正しい召し上がり方だと思います。
アニメって、フィクションってこのくらい自由にやってもいいし、やってほしいよね、っていう思い切りが大好きです。トリガーさんにはこの先もこういうアニメをいっぱい作ってほしい!
このド級の映像体験を楽しむためには、やはりストーリーは王道の分かりやすさが一番なのかもしれません。主人公にもライバルにも、敵役にもエネルギーと魅力がたっぷりで、応援上映がしたくなる…どこかでやってくれませんか


作中には突然のドリルやパイルドライバー、冷凍弾を連射する機関銃やバーニングレスキュー(消防隊)の変形車両、地形を破壊するビーム兵器(滅殺開墾ビームというあまりにも口に出して言いたくなるネーミングが最高)と、人間の血が熱くなるガジェットがこれでもかと言わんばかりに満載されていて、それはまさに鋼鉄製のメリーゴーランドのよう…
思い切って記号化された炎や氷の描写も勢いの良さでめちゃくちゃカッコよく仕上がってるし、とにかく爆発!炎上!破壊!飛散!とやりたい放題なのが最高です。何もかもをぶっ壊しながら絶叫して暴れまわるクレイ・フォーサイト役の堺雅人の怪演も見所です。あれはほんとすごい


観終わった後には、バカでかいステーキを平らげたようなプリミティブな満足感が残るような、そんな素敵な作品です。
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