ヨーク

ドアマンのヨークのレビュー・感想・評価

ドアマン(2020年製作の映画)
3.5
まぁ良くも悪くも北村龍平っぽいB級アクション映画といった感じで別につまんないとまでは言わないが間違っても絶賛するほどでもないという、そういう感じでしたね、俺的には。
俺的にはというなら結構珍しいのだが本作は主演のルビー・ローズ目当てで観た。初めて彼女を認識したのは『ジョン・ウィック2』だったと思うがそこで演じた唖の暗殺者がめっちゃ格好良くて好きになったのだった。で本作はルビー・ローズ主演だというのでこれはもう観るしかない、と。ぶっちゃけ北村龍平もジャン・レノもどうでもよくてルビー・ローズ目当てです。俺が役者目当てで映画を観るのは結構珍しい、と言いたいところだがこの『ドアマン』と同日に観た『ブラックウィドウ』もスカヨハが好きだから観ただけなのでこの日は年に一度あるかないかくらいの好きな役者day(しかもどっちも女優)であった。
で、映画の方はどうであったのかというと最初に書いたように可もなく不可もなくのB級アクションものでしたよ。お話も実にシンプルで元海兵隊のルビー・ローズが除隊してニューヨークの高級ハイツのドアマンになるのだがその建物にはあるお宝が隠されていて、それを狙った強盗団がやってきてルビー・ローズと対決するというもの。実は凄腕な主人公が予期せぬ事件に巻き込まれて…というのは超有名どころでは『ダイ・ハード』とかもそうだがよくあるパターンではある。とりあえず手っ取り早く主役とその敵が戦う状況を作り出すためには便利なのであろう。舞台がほぼ建物の中限定になるのも予算に優しいし密室での近接アクションが主体になる理由にもなるしでB級アクション映画にはいいとこばかりだ。本作でもその辺のよくあるB級アクション映画のパターンは踏襲されていて、予算規模に対して十分に満足感のある映像が提供されるのでB級アクション映画が好きな層に対しては安牌な映画とも言えるのだが、個人的にはもうちょっと特徴的な部分が欲しかったなぁ、というのはある。
いやまぁ悪くはないんだけど、ここが凄い! って特化された部分もないような無難な作りなんですよ。ルビー・ローズのアクション自体も全然悪くはないんだけど上記したキャラクターとしては『ジョン・ウィック2』での唖の暗殺者といったような強烈なキャラ付けがあるわけでもなく平凡な人物造形であった。悪役として出てくるジャン・レノもセガールの悪いところを踏襲したようなワイン飲んで飯食ってお喋りしてるだけという置物感ありありだったし、本作品のここが見どころ! みたいなとこが乏しかったのは事実だと思うんですよね。俺が期待したのは『ドアマン』というタイトルの通りに悪役を望まれざる客に見立てて恭しくも慇懃無礼なアクションでやっつけていく様だったのだが、ぶっちゃけドアマン要素もほとんどなかった。ルビー・ローズがポスターにあるドアマンの制服を着ていたのは作中で5分以下だったのではないだろうか。よくこの内容で『ドアマン』というタイトルにしたな…という驚きと困惑はあったが…。ドアマンという立場を活用するのもルビー・ローズではなく悪役の方だったし…。
その辺は正直がっかり感大きかったし、人があまり死なないのも温いなぁ、と思うのだが格闘シーンはわりと見応えあったりとそれなりに良いところもあるので最初に書いたように可もなく不可もなくといった感じに落ち着いてしまう安牌映画なのだ。ほとんどB級アクション映画と言われる映画に対するイメージそのまんまな作品だと思うのである意味では癒しを感じるほどの安心感はある。なのでその辺を了解してる人が観るには全然アリな映画だとは思いますね。
あ、でもカラヴァッジョとレンブラントの真作が入った金属製の筒でチャンバラするシーンは最高にアホみたいで良かったですよ! あそこですごい笑顔になれたので何だかんだいい映画でした。
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