140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ハッピー・デス・デイ 2Uの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)
4.0
鶴見辰吾ジラ
30周年記念
お誕生日企画第2段!
【STAY ALIVE】

前作から2作目の法則で物理的にもバリエーション的にもシチュエーション的にも増量された続編。蛇足感も当然感じるしループの種明かしも不満が生じるカーテンの裏側を見せてしまっているが、そこを押し切る力技とエモエモなシーン。何よりヒロインの怒りが我々の気持ちを代弁してくれていることと力強く進化したヒロインのチャーミングさ、そして仲間とまた会えたキャラクター的な喜びも付与されている。キャラクター数も増えて「みんなが頑張る姿が感動的」という直観的な楽しさがストレートに伝わり、マルチバース的な変化球も加わることで飽きることなくライドできる。前作と間髪入れずに上映形態を用意してくれたチネチッタに感謝。

もはや「君の名は。」や「オーロラの彼方へ」的なサスペンスとアクションの増量に加え、死ぬことでも引き継がれる記憶をキーに物量、チャーミングさ、そしてコメディテイストにも手をつけて溢れんばかりのラストアタックに向かうケイパー要素もジャラジャラ加点。変電所のクラッシュシーンや与太話に対して真剣に犠牲を払う仲間に一気に「君の名は。」感が増し、大人の抑圧と若者の衝動の対立構図が青春奇譚の殴り込みを意識させる。家族のエピソード、彼氏との赤い糸性、そして多くを救おうとするヒロインの美しさと、次元を越えてもナイトたる彼の健診性がゼロ距離になるモーメントのエモーショナルな祝福描写はベタベタだが泣ける!

「ハッピーデスデイ」→「ハッピーデスデイ2U」を一気に駆け抜けたことの達成感も含め、誕生日映画体験として文句なしの快感!生きることの背中を押してくれた偉大な映画体験のひとつとなった。

前作・本作合わせての年間ベスト級の感情の高鳴りがあった。