Rocko

僕たちは希望という名の列車に乗ったのRockoのレビュー・感想・評価

5.0
昨年見逃してどうしても映画館で観たかった作品。
アップリンクさんの見逃した映画特集にリクエストもしており、再上映されたことに感謝しながら鑑賞。

本当に劇場で観てよかった。緊張感が張り詰めた映画だった。期待して観たのにもかかわらず期待以上でした!

ベルリンの壁「崩壊」前ではなく「建設」前の1956年の東ドイツの実話。
この時代のドイツの歴史はあまりよく知らなかったのですが、列車で西ドイツへ行けたのですね。歴史に詳しく無くとも美しい映像に載せて作品が教えてくれます。

純粋故に高校生がノリでしたような、たった2分の黙祷を国への反逆と捉えられる社会主義国がいかに恐ろしいか、思想統一の実態を高校生達を主人公としながら家族や友情も交えて展開されて行きます。
それぞれのキャラも分かりやすい上に個々の家庭に歴史的背景を載せ、家族の絆と共に親の時代のドイツの歴史が散りばめられていることによりナチ時代の悲惨さも感じられます。

政治的思想弾圧と闘う生徒達が民主主義的で熱いところに涙が出ます。
実話なのが辛い。
この映画以外にこのような現実が幾つあったのでしょうか…

静かな怒りと重いテーマの中に垣間見える若者達の青春が凄く刺さりました。
是非とも現代の日本の高校生に観て欲しい映画です。

2020年7作目
Rocko

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