ロミオ

ウエスト・サイド・ストーリーのロミオのレビュー・感想・評価

3.9
お恥ずかしながらミュージカルも61年版も見たことないのだけど、スピルバーグ版東京リベンジャーズだった。「踊らないやついる?いねぇよなぁ!」って感じのパーティーのダンスバトルが楽しかった。ダンスはある種の言語で、国の壁を越えることを証明してくる。

常に自分とは違う存在を受け入れる話ばかりやってきたスピルバーグが監督すべき映画だった。派閥、人種、分断を超えて理解し愛し合うトニーとマリアの構図は、E.Tとエリオットと実質的に同じですよね。不良映画ながら優等生映画っぽいのもスピルバーグらしい。

まさに今リメイクされる意地のある作品でもありますね。ストーリーは61年版とほぼ変わらないみたいですが、その頃と同じ問題が現代でも起こっているという、悲しいかな人間はいつまで経っても学ばない生き物ということを感じさせられました。

ラスト、優しさの嘘が結果的に悲劇に繋がる展開は、息を飲んでしまった。正直ここまでビターなエンドとは思ってなかったし、あの後のアニータとマリアのことを考えるし、かなり引きづりそうな予感。アンセル・エルゴートの問題さえなかったらストレスなく見れた...。

リドスコといい、おじいちゃん監督絶好調やな、そんな映画。
ロミオ

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