ロミオ

ガンパウダー・ミルクシェイクのロミオのレビュー・感想・評価

3.5
ジョン・ウィックによって確立された殺し屋大喜利バトルに、キングスマンのケレン味をカスタムして、キル・ビルオーダーしてみた、というスタバで頼んでも絶対に出てこない無邪気な一杯。ネオンが目立つ感じはアトミック・ブロンドもブレンドしてるであろうハイスペックさ。

それぞれの要素をいいとこ取りして、闇鍋的にぐつぐつ煮込んだ感をとても感じた。が、オリジナリティがないのかと言われるとそうでもない。大喜利にもしっかり答えていると思う。子供を巻き込んだハードアクションはバリエーションが豊かで見ていて飽きない。

子供を巻き込むことで、主人公親子の物語を加速させるエンジンにもしており、一石二鳥の働きをしている。また、女の復讐というステレオタイプ的な物語ではなく、あくまでも親子関係の修復の話に焦点を置いたこともとても英断で、余計なストレスが減ってて良い。

ただ優等生な分、どうしても予想の範囲を超えない、「どこかで見たことある」が胸をよぎる。最近思う、ゼロからのクリエイティブが難しい時代、ある種のプロットを借りた上で、そこを突き抜けられるかどうかには、いったいどのような要素が必要なのだろうか。結果的に、PRという仕事をする自分にとって、そこを考えさせられる映画体験だった。

「ガンパウダーミルクシェイク」という、なんか口ずさみたくなるタイトルは発明、そんな映画。
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