ロミオ

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のロミオのレビュー・感想・評価

3.9
日本の次はフランスということで、フランス愛を相変わらずの天才的なセンスでまとめ上げたウェス濃度120%みたいな映画。「俺の考えたフランス映画」を記者それぞれの視点で編集長へ語るという映画内映画な構造で、観客をお話にシンクロさせるのが素晴らしかった。

映画内映画な構造は別に新しいことではないが、一冊の雑誌の映像化という文脈にすることで見たことのない映画構成になっているのも発見だなと思った。別冊なんていうタイトルがついてることも洒落てる。オムニバスなのに、最終的に編集長へのレクイエムになってるのも隙がない。

ただなんといっても素晴らしいのは、もはやお話がなくてもお金を払いたくなるほどの絵作りセンス。全編一枚絵として飾りたい。特にザック・スナイダーも真っ青の、乱闘のシーンを静止画で見せる手法は、コミック的で紙媒体ということを感じさせる絵作りでグッときた。

雑誌の映画化ということもあって、とにかく情報量、特に活字が多いく、英語字幕が積み重なっていくのとか雑誌感を感じた。ただ絵の情報量も多いから字幕まで追うとパンクしかける。ここまで英語で理解して、絵に集中したいと思った映画は初めてかも...。

英会話行きたい...、そんな映画。(ではない)
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