猫は神様なのだと再認識。「人間どもよ、よしなにやってくれ。私も好きにやる」と言わんばかりの自由っぷりが清々しい。その我が道をゆく姿はモーゼの十戒？？それは誇張しすぎだと思いますが、猫が自由にやるからこそ、人間たちの馬鹿馬鹿しさが強調されるのも面白いと思った。
猫というマクガフィンが喪失することによるドタバタ騒動といってしまえばそれだけですが、今泉監督映画らしい長回しが健在で、コミュニケーションの過程が描かれる面白さも一部あったし、ずっと見ていたいと思わされるのだから、「待ってましたお家芸！」という気持ちになったりもした。
ただ各キャラにいまいち実存感を感じられず、割と荒唐無稽なストーリーも相まっていまいちのりきれなかった。終盤の大集合は面白かったけど、それはその場の修羅場感が面白かったのであって、関係性が関与した面白さではないように感じた。前述のキャラ・ストーリーのふわっと感が原因だと思う。
群像劇の難しいところは、各キャラ全てに共感まではいかなくても、誰かしら推しがいないと、起こること全て、なんかどうでも良くなってしまう点だと思う。それでいうと猫のカンタに全ての推しポイントを振り分けてしまった自分がいけなかったのかもしれない。やっぱり猫は偉大だ。
何度でも言おう、猫は偉大。そんな映画。
