マツシマ

スノー・ロワイヤルのマツシマのレビュー・感想・評価

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)
3.3
長年にわたり除雪作業に従事し、雪国に住む人々の助けとなり模範市民賞に選ばれた主人公ネルズは、口数が少なく笑うこともなく無駄口もきかない「THE・雪山の頑固親父」
ある日空港で働く一人息子カイルが麻薬絡みのトラブルに巻き込まれ殺されてしまう
カイルの友人から事件の真相を聞かされたネルズは、黙々と淡々と復讐を開始する………


リーアム・ニーソン!
親父!!
復讐!!!

ときたら「96時間」ファンとしてはワクワクせざるを得ないワケですが、今作は予想や期待を裏切ります
個人的には良い方向へ

これは単純な「ナメてたオッサンが超人系のリベンジムービー」ではなく
「リベンジがきっかけで人がドミノ倒しのように死んでいく」血みどろピタゴラスイッチ映画……そうだ、アウトレイジと同じだ!!

ということで、冒頭こそネルズお父さんの復讐劇なのですが、途中から「構成員が消されてるのは同盟関係の先住民系組織」と勘違いしたマフィアグループと「勘違いで攻撃されたので、キッチリやり返す」と殺気立つ先住民系組織との大抗争、勢力争いにギアチェンジ

軽快に、無慈悲に人が死んでいく

しかもそのシークエンスが面白くて、途中からもうネルズ出てこなくてもいいかな……と思っちゃうくらい

なんせもう、どいつもこいつもクセモノ揃い!!!
いちいちキャラが立ってる奴ら(マフィアの一人息子の少年まで変)がドンパチ殺し合い
テンション的には1番まともなのは主人公ネルズですが、こいつはこいつで除雪車で人間を追い回したり、工作車で引っこ抜いた樹木で暴れたり、殺した人間を金網でまいては夜な夜な滝から捨てたり(マジで何回もそのシーンが挟まるから、2回目くらいから笑ってしまう)やっぱり変!!!

思ったよりブラックユーモアがたっぷりで、ヘンテコな奴らがぶち殺し合う、陽気な映画でした
なんなら主人公のリーアム・ニーソンの深刻な顔の演技だけが浮いてる
ずっと浮いてる
こいつだけ出てる映画が違う


しかしリーアム・ニーソンの肉体の説得力はすごい
元最強の特殊工作員だった「96時間」と違って、今回のリーアム・ニーソンは「雪山の頑固親父」
そりゃそれなりにタフではあるでしょうが、戦闘訓練を積んだキャラクターなワケではありません
なのに「こいつとタイマンしたくね〜」と思わせる、リーアム・ニーソンのデカさ

顔、鼻筋からすら伝わる「巨体感」
拳がもう超でかい
こんなでっっっかい拳骨でしこたま顔面殴られたら死ぬわ、と一目で理解させられてしまいます
「普通のオッサンに殴られてノビるマフィアて笑」とは思えません
無理無理これは死ぬ
リーアム・ニーソンの肉体の説得力は素晴らしいと思いました


傑作!!みたいな映画ではないけど、午後のロードショーとかでやってたらつい見ちゃうような、愛すべき作品でした