このレビューはネタバレを含みます
退屈な高校生活を送る主人公は、ある日クラスの女子生徒が、教室内で始末された蜂の死骸をゴミ箱から拾いあげ、土に埋める場面に遭遇する。彼女はリストカットを繰り返す後ろ向きな一面を持ち合わせていた。最初は会えば口喧嘩となる二人だったが、次第に自然と一緒に過ごす時間が増えていき......という話。Twitter発の三話の原作漫画を軸に映画化。
かなり若者向けの内容なので、最初はストーリーの薄さや登場人物の変な喋り方に慣れなくてキツかったのだが、観ているうちに段々と味が出てくるスルメのような作品。
3つエピソードが並行して語られる構成だが、実は時間軸が異なっていると後々分かってくる。お気楽なラブコメの体裁の中に高校生たちの苦悩や悲しみが含まれていてなかなかあなどれなかった。
僕はメインのエピソード以外の2つの話のコンビが好きで、いずれも報われていなかったり貧乏くじを引いている方の人物が、実はもう一方を心理的に救っているという話で共感させられた。あと、悲しい結末を乗り越えたメインのヒロインが、下級生として入学してくる別のエピソードの人物の背中を押す終わり方も良かった。
ただ、やはりこの内容で二時間超はいくらなんでも間延びし過ぎていたように思えた。それぞれのペアの関係性を観客に浸透させるために必要なのかもしれないが。あのサイコキラーの設定もあまり作品に馴染んでなかったかなあ。
八千代くんの子持ちの片想い相手が一番可愛かった......
