河豚川ポンズ

キングスマン:ファースト・エージェントの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

4.2
ラスプーチンが一番見どころさえある映画。
コメディ面においてもアクション面においてもラスプーチンが大活躍すぎでしょ。

時代は第一次大戦直前の1914年、英国貴族のコンラッド(ハリス・ディキンソン)は兵役への志願を父親のオーランド・オックスフォード公(レイフ・ファインズ)に申し出るが、平和主義者として知られる彼はそれを認めなかった。
世間の情勢に対して何をすることも許されない状況にコンラッドがやきもきする中、オーランドのもとにオーストリア皇位継承者であるフェルディナンド大公(ロン・クック)の警護が依頼される。
しかし、オーランドとコンラッドの努力もむなしく二人の前でフェルディナンド大公は射殺されてしまう。
犯人がしていた動物の絵柄の入った指輪、そして同様の指輪をロシアの怪僧ラスプーチン(リス・エヴァンス)がしていたことから、一連の事件は“羊飼い”と呼ばれる男が中心となった組織が暗躍していることを突き止める。
世界に危機が迫る中、オーランドはコンラッドにある秘密を打ち明ける。
彼は屋敷に使えるメイドのポリー(ジェマ・アータートン)を中心とした世界中の使用人たちの情報ネットワークを構築しており、世界中の情報を集める諜報機関を立ち上げていた。
そしてラスプーチンが新たな動きを見せようとしている中、オーランドとコンラッド、ポリー、執事のショーラ(ジャイモン・フンスー)の4人は、ロシアへ向かうのだった。

最初の公開日から、20世紀FOXの買収やコロナ禍の影響などを受けてあれよという間に2年が経ち、ようやく、本当にようやく公開されたこの映画。
待たされすぎたせいで期待値も必要以上に上がった気がするけど、やっぱり安定の面白さというかおっさんがカッコよくアクションを決める見どころはブレない。
てっきりメインはハリス・ディキンソンかと思いきや、レイフ・ファインズがめちゃくちゃ頑張る。
今までのコリン・ファース、ペドロ・パスカルと続いて、監督のマシュー・ヴォーンはおじさんに派手なアクションをさせないといけない呪いでもかかってるのか。
しかしそれよりもインパクト大なのがリス・エヴァンス演じるラスプーチン。
見た目やしゃべり方の不気味さに加えて、格闘スタイルもバレエのように飛び跳ねて戦う。
こんな尖ったキャラが組織のボスじゃないことが不思議でしょうがない。

時代が時代だったからか、今までのキングスマンみたいなスパイグッズみたいなものはあんまり無かった。
というよりも第1次大戦というシチュエーションをうまく活かしたアクション映画といった感じ。
それでもアクションのキレはシリーズ1とも言うべきで、個人的には今までで一番好きかもしれない。
あと敵の組織が動物モチーフの指輪を着けてるってのも、なんか漫画やらアニメっぽくて好き。
こういうアガる設定はキングスマンらしくて良いな。
3を作る前に0に戻るんかと思ったけど、今ではむしろこっちの続編への期待の方が上がってきてる。
次に制作予定なのは3で、続編を作るならそのあとみたいだけど、レイフ・ファインズにはそれまでこのアクションのキレを頑張って維持してもらいたいな。