カツマ

ソウル・キッチンのカツマのレビュー・感想・評価

ソウル・キッチン(2009年製作の映画)
3.8
ファティ・アキン監督といえば、00年代に登場した新たな巨匠。彼が撮った作品はどれもハイクオリティで、世界の映画祭でも出品されれば注目の的だ。
そんな彼が09年に撮ったコメディ映画がこの『ソウル・キッチン』。監督自身がDJ活動をしていることも反映されてか、ドイツらしいデジタルなサウンドプロダクションに乗せて送る、魂のドタバタクッキングエンターテインメントだ。タイトルがソウルキッチンだが、お料理映画一辺倒ではない。仲間たちと助け合ったり、足を引っ張りあったりしながら、愛と勇気と腰痛とスカイプに乱行パーティーまで飛び出してしまう飛び道具ムービーが完成した!

ドイツのハンブルグの片隅にある料理店ソウルキッチンを営むジノスは、ジャンクフードをアレンジした大衆料理で何とかお店を切り盛りしていた。恋人のナディーンとは上海出張のため遠距離恋愛になり、毎晩スカイプで彼女と話す少し寂しい日々。
ある日、ジノスは作業中に腰を痛め、椎間板ヘルニアを発症。調理場に立てなくなり、出会ったばかりの流浪の料理人シェインを雇うことに。仮出所中の兄イリアスまで転がり込んで、ジノスの悩みの種は増すばかり。だが、ひょんな事からお店をライブハウス化すると、シェインの料理も話題を呼び、お店は徐々にV字回復を見せ始め・・!

ドイツ版コメディなんてあまりお目にかかったことがないけれど、とにかく展開が早く、抜群にテンポが良い!軽快なダンスチューンでBPMを上げ、怒涛の乱行パーティーへと突入するあたりは完全にコメディだ。ワンピースばりにみんなで助け合った末に待つ魂の大団円が、意外にもロマンチックで、ラストカットはやたらと素敵な映画でした(笑)
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