マツシマ

無双の鉄拳のマツシマのレビュー・感想・評価

無双の鉄拳(2018年製作の映画)
3.5
ものすごくゴツいおじさんが、悪者をとにかくぶん殴る!!!!!


ブチギレたらその豪腕で相手が何人いようともブチのめす、一部で伝説の男
天使のような女と結婚し穏やかに温厚に暮らしていた彼だが、ある日その妻を売春組織に誘拐されてしまう
妻を取り戻すべく、伝説の男が再びグーを握る


愛する者を誘拐された主人公がひたすら相手を追い詰める、という形ではリーアム・ニーソンの傑作アクション「96時間」の類似作だが「元CIAの凄腕諜報部員」という96時間のお父さんと違い、今作の主人公は「やたら腕っぷしの強い男」でしかない
なので謎のコネクションや諜報活動のノウハウなどは何もなく、ただ知恵と工夫とハンパない腕力で奥さんを探すことになり「96時間」とはまた違うリアリティラインのハラハラ感、爽快感が味わえる

「96時間」が西の暴力ならば「無双の鉄拳」は東の暴力だ

つまり鉄砲でババン!!!瞬殺
!!!の爽快感ではなく
拳でズガン!!!失神!!!の爽快感
ひたすら肉感的
敵の武器も韓国映画お決まりの刃物!斧!!
下っ端構成員までやたら鉄砲持ってる西洋映画とは違うんだよべらんめぇ

主演のマ・ドンソクの肉体的な説得力が尋常ではなく
画面越しに「あ、こいつに本気で殴られたら死ぬわ」と感じさせる圧倒的肉厚感、拳感は異常!!!
背中の広さ、8LDKあるらしいです

殴られたら失神不可避のマンソクおじさんですが、特筆すべきは圧倒的タフさ頑丈さ
「こいつ、どんだけしつこいんだよ……怖っ……怖い怖い!マジでいい加減にしてくれ!」と悪党でなくても半泣きになるほどのタフネス
ダイ・ハードのマクレーン刑事ばりのタフネスだが、マクレーン刑事と違って無言で歩いてくるだけなので圧倒的「話通じなさ」が漂っていて本当に勘弁して欲しいです

コメディ要員の脇役2名がとても良い味を出しているんですが、今作の「96時間」と決定的に違うのはこのコメディ感
笑ってしまうシーンが随所にあり、その辺の緩急はとても良いんですが、まぁ賛否は分かれるとも思います(ひたすら緊迫したのが好きな人もいるでしょう)
個人的には大成功だったかなと

悪党も実に良い味出していて、「アジョシ」といい韓国ノワールの悪役ってなんでこーも最高なんでしょう
みんな最後にはしっかり小物感を出すのもスッキリ爽快

力持ちおじさんのハイパーゲンコツタイム
たっぷり堪能出来ました


ところで韓国映画で有能な警察機構を見たことが一度もないんだけど、なんなの?
警察を有能に描いちゃいけない法律でもあるの???