ケイスケ

オオカミの家のケイスケのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.7
あなたもオオカミに変わりますか?🐺

美しい山々に囲まれたチリ南部のドイツ人集落。“助け合って幸せに”をモットーとするその集落に、動物が大好きなマリアという美しい娘が暮らしていた。ある日、ブタを逃がしてしまったマリアは厳しい罰に耐えられず集落から脱走してしまう。マリアは逃げ込んだ一軒家で出会った2匹の子ブタに「ペドロ」「アナ」と名付け世話をする。

最初にクリストバル・レオンとホアキン・コシーニャの両監督から挨拶がありますが、2人ともなかなかのナイスガイ。同時にこの映画に絶賛コメントを出しているアリ・アスターみを感じるのよな。つまりは(良い意味で)やべーやつらってこと。

本作でマリアが脱走した施設は明言されていませんが元ネタはコロニア・ディグニダ。公式サイトでも「コロニア・ディグニダからインスパイアされた」って書いてありますね。確か今って名前変えて改装されてるんでしたっけ。定期的に出てくる「マリィ〜ア〜?」がマジできもい。

見た目のインパクトの割には話の筋はしっかりあるし考察もできる作りになっています。でもそんなことよりやっぱり映像表現の狂気ですよね。ずっと出てるガサガサ音をASMRにしたら悪夢が見れそう。これは先述したアリ・アスターの映画と一緒で人にマジで悪夢を見せるために作っていますよね。

地方の映画館でしたがなかなか入りは良かったです。やはりビジュアルのインパクトがかなり強いし、リアルタイムで観ることに価値がある映画だと思います。まだ実験的でもあり、いびつな部分もあると思いますがかなり楽しめました。てかいま思えば同時上映短篇の『骨』の方が狂気じみてた気がする笑。