【この作品の作りが、人間の盲点を試している】
コリンという男。
刑務所から釈放され、1年の監視指導期間。
11ヶ月と27日が経ち、ついに残り3日で自由の身となる。
そんな彼は
幼馴染みの男マイルズとつるんでいた。
マイルズは不良という言葉がぴったりの人物で、拳銃を軽い気持ちで手に入れ、
厄介ごとに巻き込まれたくないコリンにとっては少し手の焼ける人物である。
しかし、彼は口がとても上手く、その世渡り上手に助けられている部分もありそうだ。
彼らはコンビで引っ越し業者で働き、毎朝コリンはマイルズとトラックで家から職場まで送り迎え。問題さえ起こさなければ居心地の良いコンビである。
自由の身まであと3日、そんな1人帰り道の信号待ちで、コリンは目の前で黒人が白人警官に射殺される瞬間を目の当たりにする。
コリンは気が動転。
それをきっかけにコリンは黒人である自分自身の見方を異常に気にし出します。
その話をマイルズに話すも、彼はあっけらかんとして、気にする様子がない。
考え方の違いに、コリンは彼との壁を感じ、心を平静に保てなくなっていきます。
🟢なぜコリンは逮捕されたのか
逮捕前に話が戻ります。
2人は暴力事件を起こし、一人の男性をフルボッコ。そこまでやる?てほどのフルボッコ。
しかし、逮捕されたのはコリンだけ。
これは"黒人だから"。
口の上手いマイルズは、上手く白人警官にいなされただけに終わった、と思われる。
黒人→怖い
というイメージを持っている人は確かに多い。
こういった偏見にまみれた思考を180度転換できるか、つまり、ブラインドスポットに目を移せるか、我々は試されているのである。
コリンだって同じ人間であり、
銃に対する恐怖だってある。
そして、何より白人警官に対しても恐怖を抱いているのだ。
射殺を目の当たりにしてから3日間、毎日毎日彼は悪夢にうなされる。
自分も犠牲者になるのではないかという恐怖にだ。
なんであの男は、殺される必要があったんだろう。
黒人でなければ助かってたのか。
自分ってなんで黒人なんだろう。
マイルズはなんで、自分と違うんだろう。
自由の身まであと1日、
引っ越し業を受ける中で、今いるこのお宅が目の前で黒人を射殺したあの警官の家だと気づきます。
問題を起こさぬようマイルズから回収していた銃を警官に突きつけるコリン。
ここは印象的でした。
自分の思ったことを全て吐き出し、どれだけ悲しいかを主張します。
しかも、ラップで表現するという。
かなり良かった。
黒人が救われない、そんな幻想に身を置かれて、これから生きていきます。
盲点というのは、気づけないから盲点であるのです。
一方的な見方が世の中を巡り、当たり前になってしまう。
喜ぶ人もいれば、悲しむ人もいる。
軽く考える人もいれば、重く受け止める人もいる。
当たり前に思う人もいれば、当たり前でないと感じる人もいる。
つまり、
自分の考え方を180度角度を変えて見ることも必要だということ。
偏見はそうしたらなくならないだろうか。