とりん

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!のとりんのレビュー・感想・評価

4.2
アニメシリーズを大団円で終えた直後にホットな状態で公開された続編。
デジモンワールドの危機を救ってから半年後の春休み、地球のインターネットを舞台に、新種のバグデジモンが登場し、アグモンたちがデジモンワールドから突入し、地球の危機に立ち向かう話。
監督は初期作から引き続き細田守監督が務めている。
今でこそ有名だが、この頃はまだ無名
長編作すら作ってなくて、一般公開作も初期作に続いて2本目である。
絵コンテやキャラデザも彼のチームで作っているからアニメシリーズとは全くタッチが異なる。
キャラの細かな動きや仕草やいろんな描写の節々に細田節を感じることができる。
今だから発見できることも多い。
サマーウォーズはこの話が基となって作成されたらしい。

アニメシリーズと大きく異なるのはタッチもそうだけど、設定的にも少しある。
特に戦闘にかけての設定がイマイチアニメシリーズと統一感ないように思えた。
正直ここにはあまり看過できないけれど、これがあることで全体にスピード感が出る
そしてインターネットを使ったスピード勝負や回線ストップなど、本当にあり得る話を盛り込んだ要素も詰め込まれているのが大きい。

今でこそどの家にもインターネット環境はあるが、当時は数軒の家に一軒あるかないかくらいのパソコン環境だった、しかも遅い。
それをちゃんと理解した上の設定だし、今だからこそ当時を思い出しての納得感もある。
このネット環境の設定と絵のタッチと戦闘設定を活かしたスピード感がこの映画の持ち味であり、良くも悪くもある点である。
ただ個人的にはこれはかなり良と捉えることができる。
少し大人向けにも作られているように思う
話的にもこういった点でもデジモンの映画史上一番面白い。
とりん

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