このレビューはネタバレを含みます
「メイヘム」の実話を元に、凡人ユーロニモスがメイヘムを結成しデッドの自殺から歯止めをかけられなくなるお話。教会放火も実話かよ。
自殺やら刺殺やら、起こったこと自体は事実ですが、中身は大胆な脚色…多分。そもそもスリラーなのかコメディなのかもよく分からなかったです。
前半過ぎるくらいまではとんでもない駄作見てる気分に。一見して痛々しい演技の数々、コロコロ変わるキャラクター、ダッサいジャンプカットやらフラッシュバックやらのエフェクト、無駄にグロいし、何で英語喋ってるのかも分からないし、劇伴だけは良いかな、という程度。
終盤近くになり、やっとユーロニモスの「普通な」キャラ付けが確定すると、そこまでのダサさや痛々しさが、演出のような気に。コメディ的な雰囲気を考えると、やはり狙って作ってたのかなあ。だとしたら凄い。
終わってみれば、神輿から降りられなくなった気弱な青年という、ありがちな人物像がえらく見事に描き出されていたような。ダサい演技だなあ、と思っていたユーロニモスにもいつの間にか見入ってしまっていました。
メイヘム称賛というわけでもなく、中二病的に捉えているようにも見え、それを絶妙なダサさで表現しているという、不思議な迷作でした。