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イン・ザ・ハイツのYACCOのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.0
ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」を映画化された今作を見てて、大好きなミュージカル「RENT」を思いだした。
そして、個人的には音楽なども含めて「RENT」のほうが好きだったが、ダンスシーンは今作のほうが見ごたえがあった。オープニングから圧巻のパフォーマンスが繰り広げられる。この映画のダンスシーンは映画ならではの演出もあり、見ていてとても楽しかった。
「RENT」の初演は1996年で、ニューヨークを舞台に、エスニック マイノリティ(少数民族)、セクシャル マイノリティ(性的少数者)、麻薬中毒や HIV/AIDSなどといった当時敬遠されていた人々や題材を取り上げたものだったと記憶している。いわゆるマイノリティ(と一括りにしていいものか自信がないが)と呼ばれる人たちの夢を追う姿を描き、私も彼ら彼女たちの生きざまに心を打たれた一人だった。
時代が変わり今は、ニューヨークを舞台に移民たちが夢を掴もうと強く生きる姿を描く。圧巻のダンスシーンは華やかでとても心躍るものではあるものの、訴えてくるものはとてもシビアだし、いつになってもどこかで差別や偏見は存在し、それらは社会を歪ませるものなのだ。
「RENT」を見た時も思ったことを、また今作で感じて少し悲しくなったけれど、143分という長尺を歌とダンスで十分楽しませてくれ、最後は前向きになれる一作になっていると思う。
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