とりん

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明のとりんのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

2020年3本目(映画館1本目)

アニメシリーズの続編となる劇場版。
アニメ1期の最後でナナチとともに旅立つところで終わったが、今作はそのまま続くような形になっている。
これまでのあらすじや世界設定などは一切語られないので、この作品から観るのはかなり無謀だと言えるし、これまでの話が面白いので、観る方は是非アニメシリーズ全てとは言わないが、総集編だけでも観て、出直してきてほしい。

序盤で少し冒険シーンはあるもののほぼボンドルドとの戦いである。
多少なりとも戦いがメインとなるとは予想していたが、ここまで戦闘シーンばかりだとは。
だから5層の最初の冒険シーンは心踊った
こういうファンタジー世界の冒険ものはやはりワクワクする。
少しだけだが基地を探検するところも良い
しかしそのあとはただただ暗い戦いだけが待っている。

新しきボンドルドという2つ名の異名の意味が明らかになるシーンもある。彼はどこまでも考えが腐っているというか、屈折した考えをどこまでも貫き通し、オーゼンが言っていた救いようよないロクデナシということに納得する。
彼が行っている研究もそれが今後どう繋がるかというのも考えると、たしかにすごい発明ではあるが、人道を外れている。
白笛の話やボンドルドが発明したカードリッジはどこか鋼の錬金術師の賢者の石に近いようなものを感じる。
ボンドルドの娘プルシュカがどこまでもまっすぐで父を信じてるのも観ていて辛いし、そしてその娘に対するボンドルドの行動がまだ救いようがないし、憎くて仕方ない。
まだまだ考えることも謎も深いこの作品だが、ダークファンタジーにしてはできすぎている。本当によく考えられた作品である。

今回オープニングからもう音楽がホントに素晴らしかった。
そしてとにかく映像がすごい、想像しただけで作画チームが血の滲むような作業をこなしたに違いない。
これだけの深いファンタジーものを描くには、やはり映像と音楽があってこそ。この映画は完璧すぎる。

2回目:2022/07/20 AmazonPrime
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