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フォードvsフェラーリのYYamadaのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.2
【実話に基づく傑作映画たち】
 ~事実は小説より奇なり

◆ベースとなった史実
〈名門vs振興!熾烈な開発競争〉
 ~ル・マン24時間耐久レース / 1966年
・場所: フランス/サルト・サーキット
・人物: キャロル・シェルビー
    ケン・マイルズ

〈見処〉
①レース映画の最高峰!
 熾烈な環境下を描くヒューマンドラマ
・『フォードvsフェラーリ』(原題:Ford v Ferrari、ヨーロッパ諸国ではLe Mans 66)は、2019年に製作されたドラマ映画。
・本作の舞台は1963年。伊フェラーリ買収に失敗した米フォード・モーター社は、ル・マン24時間耐久レースでの勝利を目指し、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビー(マット・デイモン)に対し、常勝フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を要請。
・シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)に目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが…(eiga.comより抜粋)。
・本作は、2011年頃にマイケル・マン監督が映画制作を開始したプロジェクトであったものが、「トム・クルーズ&ブラッド・ピットをキャスティング」などの変遷を経て、2018年に製作が再始動したもの。
・アクションとヒューマンドラマのバランスに優れた作品として、第92回アカデミー賞では4部門にノミネートされ、音響編集賞とアカデミー編集賞を受賞。惜しくも戴冠は逃したが、モータースポーツを取り扱った作品として、初めてアカデミー作品賞にノミネートされた作品となった。

②結び…本作の見処は?
長尺映画ながら、緊張感を以て鑑賞出来る傑作。
○: 主人公マイルズを演じるクルスチャン・ベイルは『ダークナイト』シリーズのセレブ像と180度異なる破天荒な演技にプロフェッショナルを感じる。オスカーノミネートされなかったのが不思議なくらいの熱演。
○: シェルビーとマイルズの新旧ドライバー2人を中心に本作は進行するが、ストーリーの深層には、マイルズと妻・息子の家族愛が垣間見れ、女性でも共感出来る人間ドラマとなっている。
○: フォード陣営の視点で描かれた作品ながら、フェラーリ陣営のポリシーを丁寧に表現されているところに好感が持てる作品。
○: マット・デイモンとクリスチャン・ベールのダブル主演に加え、助演陣もクセがスゴいキャスティングが身に付く。ジョン・バーンサル助演作は良作が多く、そろそろ映画作品でも主演を張ってもらいたい。
○: クセ者揃いのキャスティングに対し、アクションとヒューマンドラマを硬軟織り交ぜたジェームズ・マンゴールドの演出が冴える。難題『インディ・ジョーンズ5』の監督抜擢に納得の力量である。
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