こうん

ゴーストランドの惨劇のこうんのレビュー・感想・評価

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)
4.0
おいら、ホラーは好き。怖いの大好き。
でも、女の子や女性が(どんな理由があるとしても)苛められたりましてや虐待や凌辱されるような映画は苦手なの。「隣の家の少女」とかさ。
自分が年頃の姪っ子や娘を持てるようなおっさんになってしまったから、なおさら。つらい。


その一方で、どんなジャンルや傾向の映画でも「めっちゃ面白い」とか「よく出来た映画!」とか聞くと観たくなる。
観たいと思ったら、もうウズウズが止まらない。


でも、パスカル・ロジェか。
「マーターズ」の人でしょ。「グリーン・インフェルノ」はニッコニコで観れるけど「マーターズ」は予告編だけで脱兎のごとく逃げ出しました。
なので本作「ゴーストランドの惨劇」を観るには二の足三の足を踏みましたけど、仕事をサボ…調整して観てきました。


やっぱりつらいよ~!つらかった。夢も希望もある年端もいかない女の子がなんでこんな目に合わないといけないの。
絶望!希望…?やっぱ絶望!…きぼ絶望!絶望!
現実にいくらでも起きていることを、それでも人間性を信じて映画にする意図も分かるけど、やっぱ俺にはツライや。

しかし、憎いことに面白い!つらいけど面白い!よく出来ている!
なんなら泣いたともさ!

初めて観ましたけど、ロジェ、大したタマです。
「悪魔のいけにえ」+「サイコ」みたいなオナハシかと思えば、中盤くらいにクルっと物語世界を反転&逆回転させて、絶望と狂気のつるべ打ちを見せる中で、登場人物の抱えていた内面を前景化させてクライマックスに向けて昇華させていく…面白かった。
グラン・ギニョール的な作風をベースにホラー的なはたまたオカルト的な演出の呼吸が良かったし、主人公ヴェラのライジング物語としても、良かったしよく出来ていた。

でもツライ、辛すぎる!
…という二律背反する感情に苛まれて今ここにいます。

パスカル・ロジェの次回作、このままだとまたかなり躊躇しそう。
アジャが「ピラニア」リメイクしたいみたいな方向に行ってはどうでしょう?
こうん

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