馮美梅

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカの馮美梅のレビュー・感想・評価

3.0
1970年代、ドイツのハンブルグで実際に住んでいた殺人鬼の物語。
冒頭からいきなり死体の処理に困る主人公ホンカ。

外国の貧困層は半地下やら屋根裏やらに住むんだな。
(日本にはそういう文化というか建物がないので若干個人的には憧れたりするけど)

とにかく、美術の再現度はかなり凄い。
特にホンカの部屋の再現は映画のEDにも登場するけどそっくり。
戦争、貧困、家庭崩壊、ホンカの人生は確かに良いことは見当たらない。
お酒ばかり飲んで、いつも行くバー「ゴールデングローブ」店内にいる売春婦たちも年寄りばかりで、そんなおばさんたちにもそっぽ向かれるようなやつ。

売春婦を殺すのは良いけど(良くはないよ)死体処理あんな程度でどうなの?階下の人たちも匂いは気になるみたいだけど、血だまりとかし観て落ちないのかとか気になったりするし、凄惨なシーンなんだけど、なんか若干滑稽でもある部分が不器用な人生を過ごす彼が痛々しい。

死体を自分の部屋の壁に穴をあけて押し込んでいるんだけど、次に殺したときに、自分で死体の匂いにゲロ吐いてるんだよね。まぁ、あの部屋から死体を下すのは確かに大変そう(実際途中であきらめたりしていたし)

なんだか最近、男性器などぼかしが無くなってきてるような気がする。
日本映画はレイティングなど、なるべく広い年代に見て欲しいからなかなかたいへんそうだけど、外国作品はその辺きっちりしてるというかだから二歩でもそういうボカシが減ってきてるのかなと思ったりして…

しかし、最後階下のイタリア人の家の食卓に…
あのシーンはギャッとなったし、火事からの逮捕の流れもあの火事もホンカの部屋に関連したことで起きちゃったのかもと思ったりしたけどどうかな。

ホンカを演じたヨナス・ダスラーさん、凄く若くて、おきれいな顔立ちで、特殊メイクが凄すぎた。

映画に描かれてないけどホンカって2度も結婚経験があって、子供もいたりするんだと。そう思うとなぜ殺人鬼になったのか本当にわかんない。
馮美梅

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