140字プロレス鶴見辰吾ジラ

チャイルド・プレイの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)
3.8
【嫌なヤツばかりでアンディ不安よね、チャッキー動きます】

冒頭の張り付いたような理想を押しつけるドライなCMと家電接続可能な人形玩具の映す未来図から劣悪な労働環境で明るい未来の台座にされるエンジニアのつなぎでリブート版チャッキーとして正解。理性リミットがぶっ壊れるとどうなるか?を人形玩具でシミュレーションしているので、スカイネット的な侵略の恐怖よりも人間でも同一の事態が起こりうる隣人的なホラーとなっている。チャッキーが欠陥品であることが、主人公の聴力機能の欠陥、母親と家族関係の欠陥にも寄り添っており、本来主人公とチャッキーは確実に親友に成れたであろう未来図も同一平面上に存在したであろう仮定が可能であり切ない。

ホラー映画のスプラッター性をギャグとして取り入れ、殺戮=プレイ(遊び)と認識させていくくだりと、人間側が言った冗談や茶化し言葉をそのまま殺戮に言わせる面白さや、加えて明らかなグロさ、ゴアさをコメディよりに投入してくるので恐怖と笑いの相性のよさもしっかり引き出している。子ども主人公にして、子ども向けでない下品なセリフや血飛沫が色づけする赤の描写、対として青の安らぎの描写がクドさの残る逆光演出で前に出る。前作「ポラロイド」でもあった弱点演出とフェアプレー精神がラストバトルに仕込まれていて、動物こそ傷つけるが監督はいい人なんじゃないかな~と端っこで思える。スーパーマーケットでの愚民どもは血を見ろ!精神はゲラゲラしながら見れて楽しいホラーだった。