さっこ

エリカ38のさっこのレビュー・感想・評価

エリカ38(2018年製作の映画)
3.0
山辺節子の「つなぎ融資」詐欺事件の映画化。



この人、なんでそんなに仕事(詐欺)がうまくいったかというと、どうやら山辺節子は男性にすご〜くモテる人だったらしい。

山辺が困った顔すると教師もつい校則違反を許したり、中学生の頃から30代のカメラマンと付き合っていたり、妻子ある男を離婚させて貢がせたり、とにかくいろんな男から援助うけたり、などなど…。

反面、女性には嫌われていたそうだ。むべなるかな。
(映画とは違って実際には母親からも嫌われていたらしい)

読んでるとある種の天才という感じ。
だから詐欺など犯罪に手を染めなければ玉の輿に乗っていい暮らしをしていたかもしれない。

しかし、そうはできないところがこの人の業で、映画はそれを描いていると思った。



山辺節子が大それた詐欺事件を働くに至った経緯の一端として、この映画は「男が悪い!」としてると思う。

3人の男が登場する。
父親と、
恋人兼詐欺の師匠平澤と、
タイでの若い恋人ポルシェだ。

父親は食べ方が汚く女にだらしがない。
妻子に対して横暴に振る舞う。
しかしエリカに対して暴力を振るうとかではなく、延々とガミガミ怒鳴り散らしている。
(よくよく考えてみると学校をやめるなとか当たり前のことを言っているのかもしれず、エリカの方にも問題があったと思われる)

父親と浮気相手とのディープキスを醜く描いているのが素晴らしい。

父親と同じく醜いディープキス描写のある平澤も女にだらしがない。
それなのに平澤を好きになってしまうところがエリカの業だと思う。

平澤を裏切って以降、エリカの詐欺行為はエスカレートしていき、それに伴いホストクラブで遊んだりする。

最終的にたどり着いたのがタイ人の若者だが、結局こいつに………ということなのか?



いま山辺節子は刑務所の中だけど、出所したらまた後期高齢者の老人を騙すと思う。
まだこの人は終わってない!
山辺節子の真の戦いはこれからだ!

って別に応援してるわけではないが、反省するタイプでもないと思うので。
この人の業なので。
49
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