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モービウスのYYamadaのレビュー・感想・評価

モービウス(2022年製作の映画)
3.6
【マーベル・シネマのススメ】
SONY'sスパイダーマン・ユニバース⑩

◆監督:
 ダニエル・エスピノーサ
◆ゲスト大物俳優:
 マイケル・キートン
◆ヴィラン: マイロ
◆ポスト・クレジット・シーン:
・ヴァルチャー登場×2シーン(当面秘匿)
・エンドロール最後までの鑑賞は不要

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・天才医師のマイケル・モービウスは、幼いころから血液の難病を患っている。同じ病に苦しむ親友マイロのためにも、早く治療法を確立したいマイケルは、コウモリの血清を投与する危険な治療法を自らに試す。その結果、超人的なスピードや飛行能力、周囲の状況を察知するレーダー能力が身につくが、代償として血に対する渇望に苦しむこととなる。
・そんな彼に対し、マイロも生きるためにその血清を投与してほしいという。同じころ、ニューヨークの街では次々と全身の血が抜かれるという殺人事件が頻発する…。

〈見処〉
①「私は医師であり、怪物だ」——
 スパイダーマン・スピンオフ第3弾。
・『モービウス』は、2022年に製作されたスーパーヒーロー映画。監督は『デンジャラス・ラン』『ライフ』のダニエル・エスピノーサ。
・本作は『ヴェノム』シリーズに続き、スパイダーマンの敵役として登場するマーベルコミックのキャラクターを主役に据え、ソニー・ピクチャーズとマーベル・エンターテインメントが製作する「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」の第3作目。
・血に飢えたバンパイアと人々の命を救う医師という2つの顔を持つ主人公マイケル・モービウスを『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)にてアカデミー助演男優賞を獲得したジャレッド・レトが演じる。
・共演は、マイロ役に『ラストナイト・イン・ソーホー』のマット・スミス、ヒロインのバンクロフト医師に『6アンダーグラウンド』のアドリア・アルホナ、FBI捜査官役に『ワイルド・スピード』シリーズのタイリース・ギブソン。

②他作品とのつながり
世界観は『ヴェノム』シリーズ2作と共有。
・劇中にFBI捜査官が語る「サンフランシスコの大惨事」とは、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)にて、多数の囚人が殺害されたことを差す。
・怪物並みのパワーを見せつけたマイケル・モービウスが、自らを「ヴェノム」と称するセリフあり。
・『スパイダーマン/ホーム・カミング』のヴィラン、エイドリアン・トゥームスの登場。
・スパイダーマン・シリーズには欠かせない新聞「デイリー・ビューグル」の登場。

③結び…本作の見処は?
◎: 作品前半は、親友マイロとの過去の経緯や、不治の病に対する研究の取り組みなどのエピソードにより、マイケル・モービウスの「知性と怪物性」両面が丁寧に語られ、好印象を受ける演出。
◎:『X-Men』シリーズのナイト・クローラーやクイック・シルバーのような高速とスローモーションが交互に演出されるアクション・シーンは、大変見ごたえあり。
『マトリックス レザレクションズ』にて、本作のようなアクションが見たかった。
◎:「驚異の50歳」…『ハウス・オブ・グッチ』 (2021)で演じたハゲ頭のパオロ・グッチ役から一転して、鋼の筋肉を背負う本作のジャレッド・レト。久々に美形のレトが確認出来る作品。
▲: アクションが中心となる後半になるにつれ、『アントマン』や『ヴェノム』など、ヒーロー作品で使い古されたリベンジ・ストーリーが展開され、作品の魅力が大きく棄損する。
×: 予告でも登場していたエイドリアン・トゥームスは、ポスト・クレジット・シーンにて登場。ポストシーンが一番の見どころであった『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』も問題だが、本作のポストシーンは、本編のマイケル・モービウスの苦悩を無視するかのような展開にて、大いなる期待外れ。
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