◾︎一言
「未来を知れない。」
◾︎選んだ理由
ノーランの新作だったから!
観ないわけにはいかない。
◾︎こんな人にオススメ
SF作品が好きな人
既視感とかいらないから新しい感覚くれ!って人
◾︎感想
▪︎ストーリー
レビュー書きながらめちゃくちゃ頭混乱した〜〜!
2時間じゃとても終わらない映像体験。
一回目観た私の感想:「映画ってすごいな〜!(完)」
【価値観】
自分の中に全く新しい、"訳の分からない感覚"が沸き起こったのを感じる瞬間。そんな経験、最近あった?
大人になって、生活にルーティンができると、無意識のうちに当たり前を選んで、昔ほど感性や頭をフルで使わなくなっていたかもしれない、と気付く。
そういうところに、物語の2時間を通して"ガッッ!"と風穴を空けてくれるのが、ノーラン監督の映画(=映像体験)だと思う。
兎に角凄いものを見せつけられて、ただ圧倒され、直感を揺さぶられるような。
この作品は、そもそもパラドックスの中にある物語だから、正解の答えは求めなくていいよね?(と思うので)
頭を使った物理的な考察はできない私は、いつものように感じたことをレビューに残します。笑
【過去と未来】
この世界は、私たちが存在している現在、経験してきた過去、その先に続く時間としての未来、という一方通行の流れにある。
TENETにおける逆行装置の特徴的なところは、今起こった出来事を知った上で過去に向かうことはできるが、未来に行ったり、未来を知ることはできないということ。そもそも順行は時間の流れに沿って未来へ向かっていくことな訳で。
人類は未来に対して無知だ。だから未来に夢を持ち、未来を創ろうとする。
だから、"未来を知ら(れ)ないこと"って、それ自体が可能性なんだと思った。
色々選択して、人生を選んでいこうとしている今の自分だから尚更、そう思いたいという気持ち、です。
【運命・直感・意思】
主たる登場人物として
・起こった出来事(主人公にとっての未来)を予め知っているニール
・起こる出来事を知らない(順行しながら直感的に知っていく)主人公
の相反する?立場の二人がいる。
ー「起こった出来事は変えられない。だからといって何もしなくていい理由にはならない。」
というニールの言葉があった。
主人公とニールの間に絆が見えるのは、二人の持つ強さが、同じだからなのではないかと思う。
二人の強さは、「どう生きたいか」を、本能や自分の意思で選んで、信念を持って命を全うしているところにあるのではないか。
たとえ運命が決まっていようが、関係ない。
そして最後のニールの台詞が一番響いた。
「Call whatever you want. I call it "reality".」
起こった出来事を、運命と言うのか、
自分の行動の結果だというのか。
なんか、何を考えても考えようとしても、
"あるのは現実のみ"っていうところに舞い戻ってきてしまう。
難解複雑な世界を目の当たりにして、限界まで思考膨らませた結果、世界はシンプルだ、という理解に収束した。
哲学ってほんと考え始めると終わりがなくて難しい…
【回文・言葉選び】
「TENET」
「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」
その脚本、構成もさる事ながら、
言葉の選び方、使い方が、壮大な言葉遊び。
バカリズムの50音作文ぐらいすごい。笑
論理的な言葉も大事だけど、例えば直感的な感情や感覚を
表現できる言葉も沢山持っていたいと思った。
【まとめ】
人間ドラマが大好物の私にとっては、その点では少しだけ物足りなかったかも。
インターステラーや、ダークナイトが好き。
考察読みながら、1時間ぐらい色んな場面思い返して
これはこうだよね?って考えるの、すごく楽しかった。
沢山の人が考察や、レビューを書いていて、そこには物理的な事実だけではなくて、その人自身の主観や願いも込められていたりして、だから映画レビューは面白い。価値観が揺らいだり、増えたりする。
▪︎その他
映画館で2回鑑賞。
主人公役とニール役の俳優さんがめちゃくちゃイケてた。
CGに極力頼らないスタンスのノーラン、本当職人でかっこいいと思いました…
ノーランのインタビューを一部載せます
ー『インセプション』を書いた時もそうだった。僕は、自分が作り上げるルールを制約ではなく、可能性として見るようにしている。どのような特定のルールがそのストーリーを僕に語らせてくれるか、どのような特定の興味深い指示が僕を限界に挑ませてくれるかとね。
"ルールは制約ではなく、可能性"なんていい言葉なんだ…
仕事をする上で、大事な考え方というかスタンスだなぁ、と思った。
ノーランは哲学…
あと、ヒロインの俳優さん、めちゃくちゃ背高くてスタイル良くてかっこよかった。
◾︎この映画を観た人にオススメ
・インセプション
・メメント
→TENETを観た今ならもっと理解できるのでは…?
◼︎予告編で気になった映画
・ストーリーオブマイライフ
・ストックホルムケース