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竜とそばかすの姫のyukkyのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.6
◾︎一言
「U As U」

◾︎選んだ理由
細田守最新作で気になっていたので!
(ようやく映画館で観る時間ができた)

◾︎こんな人にオススメ
SF風刺映画好き

◾︎感想
▪︎ストーリー
この口から出て相手に届いた言葉は、
そのまま残りその人をを幸せにも不幸にもし続ける。

言葉の刃とはよく言うが、
この時代、匿名で誰でも自分の意見や主観を発信したり投げかけたりすることができるSNSの中に埋もれている私達は、
どこにいても、いとも簡単に人を元気づけられるし、深い傷を負わせることもできてしまう。

この映画は、そんな私たちの現実を
非現実な世界に入り込み傍観させることで突きつけてくる。SNSは誰が誰かも分からないまま、皆が一つの空間に居て、そこで行き交う言葉は目にも留まらぬ速さで溢れ続けるが、それは誰かの目に留まる。

皆がそれぞれの正義を持ち生きているが、そこに統制はない。

ーそんな空想でも仮想でもない現実を
 私たちはどう生きていくべきなのか。

という問いかけをこの映画から受け取った。

"うた"の語源は、「訴う」や、「打つ」(=言霊によって相手の魂に対し激しく強い揺さぶりを与える)などと言われているようで。(wiki調べ)

すずの歌から、"「歌」をうたうということがどういうことなのか"を考えさせられた。

言葉には、それだけ強い力があり、
歌には魂を揺さぶるエネルギーがある。
中村佳穂の詩を伝える歌声に感動し震えたのは私だけでは無いはずだ。彼女の歌声を聴きながら私は、言葉そのものについて考え直すことになった。

出会った人々を尊重し、言葉と優しさを選びとって、それを丁寧に届けるように伝えることは、その言葉を届けた相手の人生に幸せな彩りを与え、
そしてそれ以上に、私たち自身の人生をきっと豊かにしてくれるはずだ。

竜の背中の傷も、あそこに咲いていた薔薇も、きっと彼自身が受け取り、あるいは伝えた言葉の跡なんだと思う。

そういう心持ちで、
自分の言葉が誰かを傷つけていないか?立ち止まりながら生きていこう、と改めて思いました。
そして大切な人には、自分の言葉できちんと気持ちを伝えていきたい。

私はどこにいようが、誰でもない私、なのだ。

すずや、すずの母のように、誰かを反射的に守れる強さがある人ってかっこいいよな…

といつものように私なり綺麗事超解釈をした上で、
結論、何が言いたいかと言うと、
とにかく歌が良かったです。

▪︎その他
なにはともあれ、
鈴木えみのBelleコスプレの完成度がえげつないのでみんな見てください。
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