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花束みたいな恋をしたのyukkyのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
◾︎一言
「愛を込めて花束を(superfly)」

◾︎選んだ理由
話題作& by坂元裕二だったから!

◾︎こんな人にオススメ
恋愛共感嵐系サブカル映画

◾︎感想
▪︎ストーリー
記憶の中で、美しく映し出される思い出ほど、
些細な出来事の積み重ねだったりする。

時の流れの中で霞んでいって、始まりを忘れる。
忘れて、忘れたまま、終わっていく。

恋の始まりは、feeling-timing-happeningとはよく言ったものだ。まさにそれ。
あの時あの会話がなかったら。
あのタイミングで追いかけていなかったら。
あの時あんな偶然が起きていなかったら。

その3つが重なった麦と絹の二人は、
鏡のようにお互いを映しあって惹かれていく。

けれど、"時間の経過"と"環境の変化"そして"慣れ"によって、そんな偶然達に育まれたトキメキや恋心は、容赦なく淘汰されていく。

麦は、絹と感覚が最高に合っていた"好き"と、
迫り来る"現実"の優先順位を変えたまま
それを会話することもなくすれ違っていった。
相手に価値観を押し付けてはいけない。


この映画を観て、逆に学んだこと。
ー「現状維持は、終わりの始まり。」

付き合いで大切なのは、自分の変化と、
相手の変化を理解して、二人で話し合い、
愛し方を変えていくことだ。
一人を生きる二人が、共に生きてゆくこと。

感覚から始まった恋は、言葉で、
アップデートしていかなければならない。
けれど、それをするためには、
二人の過ごした時間の中でお互いに与え合ってきた愛情をいつでもちゃんと思い出せるところに置いておくべきなのだ。


ータイトルにある、"花束みたいな"という言葉。
束になった一つ一つの花は、二人の美しい記憶で、
お互いがお互いに与え合った愛の束みたいなもので。
記憶の花束は、枯れない。
記憶の花束は、それぞれの人生を彩っていく。
というような意味があったらいいなと、思いを巡らせた。
それは最初(最後)のシーンにも、
よく現れているんじゃないかなと思う。
多くの同じ時間を過ごした二人にしか生まれないことがある。
(この考えはある意味私のこの映画に対するアンチテーゼ!笑)


ちなみに私は、「年末年始実家に帰らず一緒に年越し蕎麦食べて、近所の神社で初詣。」に一番泣けた。
あぁそういう時間って尊いんだな。思い出すと泣けるんだな。


ちゃんと二人で、二人のことを話せる恋人となら、
一緒に観てもいいなと思う映画でした。

エンドロールの最後の花束のイラストに色がついていくの、
よかったなぁ…

「社会性とか協調性ってのは、才能の敵だ」
私は個で挑む人を応援したいし、私もそうでありたい。

▪︎その他
その物語の中の沢山の"些細な"演出がとてもとても良かった。みんなの"わかる"が丁寧に詰め込まれていた。

そして有村架純は恐ろしく可愛いし、菅田くんは相変わらず素晴らしかったです。

「クロノスタシスって知ってる?」
「時計を見たら自分の誕生日と同じであって思う現象のことだよ〜」

勿忘草の曲永遠歌ってるよ〜笑
ハモリマスターしたい。

◾︎この映画を観た人にオススメ
・劇場
・愛がなんだ
・海辺のカフカ(本)(読みかけ)
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