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デッド・ドント・ダイのYACCOのレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
3.5
多くの映画が上演延期になったなか、意外にも先陣を切って公開した印象の今作。まあ、ある意味固定客に向けた映画だからなのかもしれないなと、その固定客にあたる私は、映画館の再開とともに足を運んだ。

ジム・ジャームッシュという好きな要素と、ゾンビ映画という苦手要素を天秤にかけて好きな要素が勝って見に来たわけなのだが、ジム・ジャームッシュへの愛だけでは勝てないものがあった。
今作は、ジム・ジャームッシュが作るゾンビ映画であるから、独特のオフ・ビート感は変わることはない。一方で、あまりゾンビ映画はみたことがないが、よくあるようなゾンビが登場するまでのドキドキ感というかスリル感はあまり感じない。
もしかしたらだけれど、ゾンビ映画を多く見ている人ならばもっと楽しめるのかもしれないし、ゾンビ映画に込めたジム・ジャームッシュからのメッセージも(それがそこにあるのならば)感じられたのかもしれないが、ゾンビ映画初心者に近い私にはそれも感じ取れずだった。(無念・・・)

しかしながら、ビル・マーレイ、アダム・ドライバーにはじまり、トム・ウェイツ、ティルダ・スウィントンといったジム・ジャームッシュ映画ではお馴染みの役者が揃っているし、ゾンビの皆さんにはイギー・ポップの姿もある。独特のテンポのなか名優たちが繰り広げる世界はジム・ジャームッシュの世界観が好きな人ならば退屈することはないだろう。

でも、見終わったとき私の頭のなかには「?」があり、なんだかどんなに恋こがれても理解することができないことはあるのだと知ったのだった。
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