パラサイト 半地下の家族のみやのネタバレレビュー・内容・結末

下半分が地下にある住居で暮らす貧しい四人家族が、紹介をきっかけに働き始めた豪邸で秘密を知るサスペンス。

いわゆる詐欺一家の四人が乗っとるような形で働き始めた豪邸の地下に、元家政婦の旦那が隠れて住んでいる。一家がどんどん職を得ていく過程も、秘密が明らかになってからも面白かった。
日本とはまた一味違う、韓国の貧富の差。どうやっても抗えない「運命」みたいなものを感じて、虚しさや諦念に包まれる。でも、そう感じるのはあくまでも視聴者である私であって、貧しい四人も地下に隠れる二人も「貧しさ」に対して卑屈になっておらず、どこかで受け入れているように見えた。それがますます虚しさを誘う。豪雨で水没する中、妹が平然とトイレに座って蓋を押さえている場面が特に印象的だった。
悪ガキの息子はモールス信号に気付いていた上で無視していたのか、それとも幽霊からのメッセージだと怯えていたのか。彼の思考回路だけいまいち読み取れなかったが、彼以外の人たちの立場や考え方、感情などはどれもよく伝わってきて分かりやすかった。
誰一人として救われない結末がとても好き。