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パラサイト 半地下の家族のabeeのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.8
【深く潜っててもいい?
  深く潜ったままでいい?】

とてもシンプルに面白い映画でした。
そして、想像していたほどの衝撃はありませんでした。

今年もアカデミー賞の季節がやってきましたが、昨年は劇場公開作品が少なかったですからね。
今年のノミネート作品を見ていてもなかなか面白みに欠けますね。テンション上がりません。

しかし昨年のアカデミー授賞式は面白かった。理由はもちろんこれ。
「パラサイト 半地下の家族」です。
とんでもない盛り上がりでした。

しかしですね、またしても期待値上げすぎていたでしょうか?もっと最後劇的に描けたのではないかと思ってしまいますね。

先の読めないとても面白い脚本とキャラクターの心情を上手く描写する出来事の数々、サスペンスでありながら韓国の格差問題にさりげなく切り込んでいる辺りがこの作品が評価される点でしょう。
私自身もとても面白いと思いました。

ところが、最後の最後まで持たせて欲しいですよね、この感情を。
最後まで意地汚い展開でどこか後味の悪い、でも爽快な結末を求めていたところがありました。
厳密に理想としてたシナリオが自分の中にはあったのですが、キレイにまとめられてしまった感じのオチになんだか残念でありました。

そういえば、forbsの電子版で今年のグラミーのBTSに関する記事を読んだのですがその記事が結構興味深くて、結果は「パラサイト」とは反対に授賞はできなかったですが、エンタメ業界で韓国が世界で戦うために国をあげて行ってる戦略が良く分かる記事でした。
私「dynamite」は凄い好きな曲だと思ってたのですが、万人ウケする曲なんですよね。確かに。
その方向性がグラミーとアカデミーで違う結果に繋がるのはなかなか面白いし、開けてるとか閉じてるとか、進んでるとか遅れてるとか、忖度じゃなくて純粋に作品で評価されてるのかというのはどちらの団体に対しても思うところはある。
それでもアジア映画で初めて作品賞を授賞した、ということはとても喜ばしい。

ということで、今まで体験したことのない独特の雰囲気を持つ映画でした。
韓国映画もドラマも観たこと無かったんですよね、今まで。韓流アイドルにも興味無かったし。
いつもながら、自分の食わず嫌いは良くないなと思わされたのでした。

※追記
アメリカでドラマ化されるって、この雰囲気このプロットでアメリカを舞台に描くのは多少無理があるし、そこまで無謀なことはしないだろうとは思いますが…
どう設定を変えてくるのか、それかまた駄作になるのか、興味深いですね。
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