うどん

パラサイト 半地下の家族のうどんのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

予告編から気になり、実は、公開初日に観てきました…!
(素晴らしいレビューが多く出ている中、恐縮ですが、思い出しながら感想述べていきます)

凄い作品を観てしまった。すでに今年ナンバーワンの予感…。

前半のテンポの良さ!クラシック音楽にのせて、半地下の家族が仕事を次々と獲得する様は爽快だった。映画館でも笑ってる人が多かったが、仕事を得るためにあの手この手を使う主人公たちにはニヤリとした。

「このまま終わるはずがない」と警戒していたが、その後、まさかの展開。元・家政婦の不気味な雰囲気を漂わせての登場から心拍数は上昇し、家の地下への階段をぐるぐると下っていくカメラワークには瞬きを忘れた。その後のバトルも凄かったが、富裕家族の突然の帰宅の知らせからの怒涛の勢いと、半地下ママの「足蹴り」技には口アングリ。思わず笑いそうにもなった。
だが、富裕家族が帰宅してから、テーブルの下に潜む半地下家族の様子と、富裕夫婦の話、それを聞いたときの半地下パパのショック。その瞬間、「2つの家族の間の超えられない壁」を感じた。富裕家族の元で働き、立派な家で騒いでも、所詮は「半地下の住人」であり、「富裕者」にはなれない。その絶望感が、雨の描写もあり、私には苦しかった。

そして事件。起こるべくして起こってしまったな、というのが感想。各登場人物の積りに積った感情の爆発。半地下パパの気持ちはめちゃくちゃ分かります。ラストシーンには、一瞬気持ちが明るくなったが、すぐさま底辺に落ちました…。「現実」を見せつけられた。

この映画のキーワードは皆さんおっしゃる通り、「匂い」。鑑賞後に思い出したのは、中学生のときの友達の一言。
「他人が手で握ったおにぎりは、そこの家の匂いというか味がするから、嫌い」
今作には富裕層と貧困層の対比が明確に描写されているシーンが多く、互いに「交わる」ことはないのだと実感させられたが、同時に、「異なる匂いをもつ家族の交わり」も難しいのかな、と考えさせられた。とにもかくにも、上手に仕上げられた良作でした。
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