スルーしかけてたんだけど監督名がキム・ユンソク？キム・ユンソクニキ監督作品？と気づいたのでどんなもんかと滑り込みで観た。監督としてはオーソドックスに手堅くまとめた感じだった。役者としてはクズオブクズを熱演してた。
不倫をする人たちをちゃんとクズとして描いてたのは好感持てる。このクズどもが逃げて逃げて逃げ惑うから周囲で尻拭いする三人というか赤ちゃん含めて四人が苦しんで苦しんで辛くて辛くてやるせないというか…まだ高校生なのに全世界のクズを背負い込んでしまっているような(彼女の小さな世界は実際それで成り立っているから全世界と言って過言ではない)、そして環境がクズまみれのために本人までクズ扱いされているユナが客観的には一番可哀想なんだけど、私はジュリの母の目線に立ってしまっていたな。
あのお母さん、登場する前にクリスチャンだと印象づけていたでしょう(ちなみに十字切ってたり告解してたりしたのでカトリック)。クズ夫のやらかしたことに振り回されて、それでも善きサマリア人として振る舞おう振る舞おうと気丈に耐えている姿がなんだか身につまされた。自分の娘だけではなくて夫の不倫相手の娘に対してもちゃんと心配していた。そこ理性でちゃんと一線引けるのは大人としてとても大切なことだなと。この映画で大人としてちゃんと大人の振る舞いをしていたのはこのお母さんと葬儀業者のおじさんくらい。大人になれていない大人に腹を立てていたので、私はもうすっかり大人なんだなと思いました。
