Taka

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのTakaのレビュー・感想・評価

4.4
青春映画の本場・アメリカより青春映画の新時代の到来を宣言するかのような作品が誕生した。しかも、監督はあの俳優のオリヴィア・ワイルドで初監督だというから驚きだ。

昨年から今年にかけて、青春映画の傑作が数多く誕生していると思うが、その多くは着実に訪れている新時代に呼応するかのような作品が多い。スクールカーストをなくし、人種やジェンダーレスをいかに取り入れ、自分らしさを出せるのか。現代の映画においての一つの課題のように思えるが、この映画、そうした課題をクリアしているというか、もはや課題と思わせずに自然とそれをやってのけている。自然とやれる力はそう簡単にはいかない。それだけ本作のシナリオ力が高いことを自分は感じた。

卒業前夜というアメリカでは輝かしき一夜を主人公の2人が目眩く冒険していく話の構成も上手いし、高校生のそれぞれのキャラの際立ちやプレイリスト・ムービーとしてのBGMの上手さ、人形やプールのショットなどカメラワークが良い箇所も多々あった。そして、青春映画にありがちな自分への過信からの脱却と他者との距離感が上手くいっている。そりゃ、青春映画の傑作です。

本作が初監督だという俳優のオリヴィア・ワイルドにも拍手。本作は製作総指揮のウィル・フェレルとアダム・マッケイが参加したことも大きいが、初監督作でこのレベルの作品を出せたことが素晴らしい。既に2作品の監督が決定しており、且つ「スパイダーウーマン」の監督にも就任することが報じられている。観終えてみれば、納得でしかない。

自分もこうした学園生活を送ってみたいなんて感じた。戻りたいではない。日本ではこれは味わえない。自分はスケボー乗って消火器噴射させてみたい。青春映画の歴史の新たなる1ページを体感した。

↓公式プレイリストがあったので共有しておきます。BGMがすごく良かったです。↓
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DX45IaRNSIdzv
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