河豚川ポンズ

フリー・ガイの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
4.4
ゲームのモブが自分の人生の主人公になるまでの映画。
20世紀FOXがディズニーに買収されてよかったというパターンを初めて見た気がする。
もはや監督のショーン・レヴィと主演のライアン・レイノルズの悪ノリだと思う。

ルール無用のオンラインゲーム「フリー・シティ」。
プレイヤーたちが操作するサングラスをかけたヒーロー「サングラス族」と、その世界の背景となるNPCたちが生活していた。そんな世界で銀行の窓口係のモブキャラ、ガイ(ライアン・レイノルズ)は、その銀行の守衛のバディ(リル・レル・ハウリー)と飼っている金魚が友達の平凡なキャラクター。毎日いつも通りの生活を送っていたガイの前に、ミステリアスな女性キャラクター「モロトフ・ガール」(ジョディ・カマー)が現れ、ガイは一目惚れしてしまう。サングラス族の彼女と釣り合う自分になりたいと決心したガイは、毎回やってくるサングラス族の銀行強盗からサングラスを奪うことに成功する。それをかけたことでガイはプレイヤー視点のゲーム世界を初めて目にするのだった。

ゲームの世界のNPC、モブキャラに自我が芽生えてしまったらという斬新な設定。
ここ最近「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」やら「レディ・プレイヤー1」やら、ゲームの世界に入って色々というコンセプトの映画がドンドン増えてきた中、当たらずとも遠からずというような設定。
この映画の予告も最初こそ設定で魅かれたけど、それ以外はよくあるブロックバスター映画といった印象。
ましてやコロナ禍で果たして劇場公開するのかどうかも不安になるレベルのライン。
そんなわけで「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」のついでに観に行った感覚だったんだけど、案外ストーリーがしっかりしてたし、ギャグシーンも普通に笑えたしで満足感が高かった。
どうしても海外のコメディは人によって肌に合う合わないが激しいので、ここを乗り越えられたのは自分の中でポイントが高い。
小ネタも多くてライトからコアまで幅広い層に受けやすい映画だと思う。
でも、これでパンフレット出さないってディズニージャパンさん正気ですか⁉

ストーリーでのテーマは、「自分の在り方は周りではなく自分自身で決める」という最近よくあるもの。
男性主人公では珍しいような気もするけど、そこにコメディとラブロマンスを乗っけてくる器用さ。
どれもいい塩梅でとっ散らかってないのがこの映画の見やすさに繋がってるのかも。
あと、タイカ・ワイティティ個人の演技って「ジョジョ・ラビット」以来に見たけど、なかなか上手くてこの映画でのヘイトの稼ぎ方が凄い。
監督としてのイメージが強かったからか、こうしてみると俳優としても器用な人よね。
偶然「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」と連チャンでの登場だった。
ここ5年くらいでの人気の出方が凄い、次の監督作の「マイティ・ソー ラブ&サンダー」も安心して待ってられる。

最後にこれは完全なる邪推なんですけど、製作者と揉めて無理やりシリーズ続編を出してくるスナミ・スタジオってやっぱりコ●ミがモデルってコト…?