ピエール・シュナール監督による、【フィルム・ノワール】。

キャバレー［フェミナ］で、イカサマテレパシー演目をこなすヴィンクラー博士（エリッヒ・フォン・シュトロハイム）。
同じくそこで働くエレーヌを買収し、ある殺人の［アリバイ工作］を強要する…。

最低限のキャラ設定、極力無駄が無い締まった脚本で、テンポは上々。
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短尺テンポで無駄が無いというのは、多少強引さも伴うのは宿命。

序盤早々、殺人はサクッと雑に済ませ、その後の対決に時間を割いている。

犯人探しのサスペンスでは無い。
既に分かっている真実（証言）をどう炙り出すか。
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メインの【偽造アリバイ女 対 警視】の駆け引きを楽しむサスペンス。
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エレーヌを尋問するカラス警視（ルイ・ジューヴェ）が、別れ際に放った駆け引きの一言で一転、動揺するエレーヌ、確信する警視の緊迫演出（カメラ切り返し）が巧い。

飄々と落ち着いた紳士的な犯人 対 強面非情で図々しく執拗な警視という１つのタイプが見える（コロンボや古畑タイプとは真逆）。
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この好キャスティングと功演が見処。

中盤からは本格的にアンドレ（アルベール・プレジャン）も絡み、、警視は最後に正しく【一芝居】打つ。
愛か⁈金か⁈
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クライマックスの駅で、追い詰めたれたエレーヌで終結すると確信したのだが、、
（ここでの テンション で一気に決着した方がスッキリ盛り上がった筈）。

一悶着経て、、


ラストの【小オチ】で微笑ましく締める。

総体的に 小綺麗 に纏まってはいるが、今一つインパクトに欠ける印象だ。

• #198円DVD

フランスの隠れたノワールの佳作。

口裏合わせから騙される側へ移行していく鮮やかさが楽しい。短い時間で無駄のない演出。

個人的にはラストのビーチのシーンが「ビガー・ザン・ライフ　黒の報酬」以来の衝撃的にヘンテコな幕引きでサイコーだと思った。このくらいクレイジーだと加点せざるを得ない。

(追記)わざわざDVDを借りて観ましたが、Amazonプライム・ビデオにありました

• #プレ的2024年鑑賞

＠シネ・ヌーヴォ ～フィルム・ノワールの世界vol.4～

いつの間にか追加されてた！ので改めて。

博士と助手の得体の知れなさが不気味で良い。でも警視も大概怖い顔だったので怖い顔選手権ならは引き分けだと思う。嘘つきは泥棒ならぬ恋のはじまりな展開が切なくて、ヒロインの笑い泣きは胸がぎゅっとなった。でもあの騙し方は傷付くよなぁ。鬼警視め！