いの

おろかもののいののレビュー・感想・評価

おろかもの(2019年製作の映画)
3.9
カランコエで花ちゃんはこう言った。「好きになったらしょうがない。恋に性別は関係ないとわたしは思います!」 それがこの映画だったら、「好きになったらしょうがない。恋に既婚/未婚は関係ないとわたしは思います!」・・・かしらね。


カランコエで担任のセンセイは嘘をつくとき鼻の下をこする癖があった。同じ役者、今作では嘘をつくとき左の首筋をこする癖がある。だから嘘がばれちゃう。アタシはどうかな、嘘つくとき目が泳ぐかも。てか、すぐにあわあわ💦しちゃうから簡単にばれちゃうな。


兄はもうすぐ結婚するというのに、婚約者の他にもうひとり女がいる。その女:ミサと、妹:ヨーコとの共犯、の企て。ミサにとっての恋人であり、ヨーコにとっての兄であるケンジは、多分、人たらしなんだよね。いっつも笑顔で優しくて、なんていうか、きっと誰からも好かれちゃう男なんだと思う。


両親を早くに亡くし、兄は自分の力で妹を育ててきた。この人たらしの兄は でも 心に闇を抱えていて、多分自分でもそのことを自覚している。もしかしたらこれからも、結婚してからも、他の女の人と関係をもつことをやめられないのかもしれない。彼が闇を抱えていることを、ほんの少しだけ匂わせる演出もいいなって思う。そんな人だから、きっと女は惹かれちゃうのよね。クズな男だってわかってるのに 好きになっちゃう、それはしょうがないことだ。妹ちゃんもおそらく、兄に 異性に抱く気持ちに近いものを抱いている。だから、婚約者に兄をとられてしまうことに抵抗があるんだと思う。


ミサとヨーコとの関係は、心地よいもののようにも見え、友情に近いもののようにもみえ、途中からはハラハラした関係にもみえる。結婚式が近づくにつれ、不安が高まる。そんなみせかたも良いと思う。そして、婚約者の、腹の据わり方の堂々たること!お見事としかいいようがない。この婚約者じゃなければ! ケンジの人を見る目は確かだ。


映画の幕が閉じたそのあとを想像したくなる映画。ミサさん幸せになってね。



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*いっちゃん可愛いのは同級生のシャオメイ。高校生だった時の二階堂ふみみたい。話し方マネしたくなるくらいハマる!


*三者面談の場面、好きやわ~
冒頭いろいろツッコミを入れたくなった高2の妹ちゃんの至極真っ当さが伝わってくるし、その真っ当さをちゃんとみているミサさんの真っ当さも伝わってくる良い場面。



*邦題よりも、英題の方が良い!
(邦画だけどな!)
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