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プリズン13のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

プリズン13(2019年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

姉の家に居候状態だったヒロインは、自立するため人気Vtuberが主催する報酬100万のイベントに参加する。
それは12人の参加者を看守と囚人に分けて7日間過ごす公開実験だった。始まった当初はゆるい雰囲気だったが、実験が進むにつれて看守側は暴走していき...という話。

胸糞悪い話ではあるが最初の1時間は面白かったのに、なしてラスト30分をあんな内容にしたのだろうか...?
同じくスタンフォード監獄実験を題材にした作品としては洋画の「es」という傑作があり、それと日本のしかもB級映画を比べるのは無理があるものの、本作は低予算なりに日本のYouTuberやネット民の特徴を活かしつつ、エスカレートする看守と囚人の姿を上手く描いていた。
最初は主催者側から何の決まりも提示されず、辞めたいと宣言すれば途中で帰れるほどのゆるさだったのに、参加者たちが独自のルールを増やしていき、次第に看守と囚人の上下関係が顕になっていく。
序盤にリーダーとなったものが後にその座を追われたり、看守から囚人、囚人から看守へのジョブチェンジが行われるなど、予想外の展開は楽しめた。
支配する快感から、どんどんサディスティックになってていく看守と、追い込まれて抵抗する気さえなくなっていく囚人たちの演技が印象的。何より多数決といいつつ精神的に上位に立ったものが全てを決定できる同調圧力が恐ろしかった。
ところが、終盤に主催者の正体探しにテーマが移ってから一気に失速してグダグタになっていく。いまいち納得できない理屈を大声で叫ぶだけのカオスな茶番が続き、それまでの高評価だった部分が一気にしぼんでいってしまった。ヒロインの姉が救出にきて強制終了。黒幕の正体を匂わせつつ終わるラストと上手いとは言えないと思った。
ヒロインが主催者をあばきたてる推理を披露するのだが、根拠がすごく弱い......
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