ケイスケ

EXITのケイスケのレビュー・感想・評価

EXIT(2019年製作の映画)
3.8
「タタターンタンタンタンタタターン!」ってなんだよ?と思ってたらエンドクレジットで判明して「それかよ!」ってなりました。思わず口ずさみたくなるね👏

母親の古希を祝う会場で、大学時代に好きだった山岳部の後輩ウィジュと再会した無職の青年ヨンナムは、すっかり浮かれていた。一方街では有毒ガスが発生し、道行く人々が次々と倒れ大混乱に陥る。やがてガスは上昇しヨンナムたちがいる会場も危険な状態に。ヨンナムとウィジュは地上数百メートルに及ぶ高層ビル群を飛び移り、ガスが蔓延した街から脱出しようとする。

毒ガスが蔓延する街から脱出するというサバイバルパニック物でありながらユーモアに富んだ珍しい作風。もちろん命懸けの脱出シークエンスはありますが、音楽が何かユルかったりちょっとだけ軽めな印象もあります。

しかし手に汗握るハラハラ展開は多く、特にヨンナムが壁をつたいながら屋上に上がるところは過去の山岳部時代の失敗とオーバーラップする場面もあり手に汗握る。ただここ、ゲームの『アンチャーテッド』や『トゥームレイダー』みたいに明らかに「ここを移動しろ!」的な突起があるのがちょっと面白かった。

ヨンナムとウィジュが人間くさいのも好き。こういうパニック物のヒーローやヒロインって強い印象があるのですが、もちろんそういう行動はあるものの「私もヘリに乗りたかったー😭」「なんで俺だけ上手くいかないんだー😭」ってかなり頻繁に2人で泣くんですよね。ここがとても共感できて好ましいポイントでした。

正直、ラスト辺りまでは「普通に面白いパニック映画」として観てたんですが終盤に2人が街の人々から見守られながら、ビル群を駆けていく場面でめちゃくちゃ胸が熱くなり泣いてしまった。ここで一気にこの映画が好きになりました。ロープやカラビナなど身近な様々な道具やドローンの使い方もよく出来てますね。

2人が助かった場面を本編で見せず、あえてエンドクレジットでポップに見せたのも変わった手法で面白いと思います。毒ガスの顛末に関しては「あ、それで解決するんだ…」と思わなくもないですが、気軽に観れるパニック映画を探しているならオススメの一本ですね。