ケイスケ

シャン・チー/テン・リングスの伝説のケイスケのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

これはMCUで最も好みが分かれるかもしれない。というのも前半と後半でアクションの質がガラッと変わるため、前半のカンフーアクションがめちゃくちゃ面白かった身としては後半の『ワンダと巨像』や『モンスターハンター』みたいな戦闘が割と長く続くのが少し微妙でした。てかモンスターバトル、何がどうなってるかさっぱり分からん!😅笑。

犯罪組織を率いる父親に幼いころから鍛え上げられ、最強の力を持ったシャン・チーは、組織の後継者とみなされていた。だが彼は、自らの力を封印し、過去の自分と決別してサンフランシスコでホテルマンとして平凡に暮らそうとする。だが、伝説の腕輪"テン・リングス"を操る父親が世界を恐怖に陥れようとしたため、シャン・チーはついに封印していた力を解き放つ。

まずシャン・チーとケイティの友達以上恋人未満の関係性がいいですね。2人のやり取りを見ているだけでも面白い。ケイティ役のオークワフィナは様々な映画に引っ張りだこですね。そして全編を通して家族ドラマが非常に丁寧に描かれています。個人的には少し丁寧すぎかなとは思いましたが。それは後述します。てかベン・キングズレーのキャラとか忘れてたわ。

序盤のバス内でのアクションが最高。アクションシーンにしては少し長めですが、バスが真っ二つになったりブレーキが効かなくなったりと立て続けにピンチが起こりますし、シャン・チーが手すりや運転席、はたまたバスの外側などを移動するアクションが華麗すぎて優雅さを感じるほど。動画を撮ってバズらせる奴も面白かったね笑。格闘アクションシーンに関しては申し分ありません。

しかし中盤以降のドラマパートがテンポが悪い。最序盤の過去パートから結構長いし後半まで過去シーンがかなり頻繁に挟み込まれるうえに、さっきまで観たような似たシーンの繰り返しもあるから余計に長く感じる。この辺りが前述したように描写が丁寧すぎると思う。お母さんの故郷に行ってからはハッキリ言って長く感じました。ヒーローの修行シーンって面白いんだけど本作はちょっと微妙。

あとラストのバトルシーンですよね。二つの勢力が争いますが、似たようなシチュエーションの『ブラックパンサー』とかと比べると明らかに地味。まあ派手にすればいいわけじゃないし、本作のトーンにも合ってますが目新しさはないです。てか父ちゃんさ、怪物ガンガン扉から出てるのに無反応で扉壊し続けてんじゃないよ。アホみたいやんけ。こっからのモンスターバースビックリの怪獣が絡み合うアクションはマジで何が起きてるか分からなかった。

個人的にはMCUの中でも半分から下に位置付けする出来に感じてしまいました。ただ本作が『黒い司法 0%からの奇跡』を撮ったデスティン・ダニエル・クレットン監督を起用したり、『ブラック・ウィドウ』のケイト・ショートランドや『エターナルズ』のクロエ・ジャオのように大作アクション映画と正反対の監督を呼んでくるのは面白い試みだし、一定のクオリティを超えてくるのは流石マーベルだと思います。いやー、エターナルズどうなるんだろ。楽しみに待ちたいと思います!