にくそん

ハリエットのにくそんのネタバレレビュー・内容・結末

ハリエット(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

シンシア・エリボの歌が最高。ミュージカル出身の女優さんということで、もっと高らかに歌い上げる調子なのかなと思っていたけど、朗々と地面をしっかり伝って染み通ってくるような歌声だった。心に残る。

ただ、主人公のハリエットがあまりに強い人(芯も強ければ、他人への態度も強いタイプ)で、薄弱の私には心情が理解しにくいところも多々あった。命からがら逃げ伸びた先でお風呂を用意してくれた人から「あなた獣みたいな臭いがしてるわよ」と言われたとき。生き別れて生死不明の状態で結婚相手が別の人と新たに恋愛や結婚生活を始めてしまったとき。どちらもシチュエーションが特殊すぎて、私の理解が及ぶはずもないんだけど、彼女の反応が激しすぎて、映画と私の間にちょっと余計に距離が開いたところがある。

あくまで彼女が成し遂げた偉業について描かれた映画で、彼女の人物はあまり描写されなかったので、そのせいもあるかも。彼女がどういう人か、偉業がらみの(勇敢で信心深く神の声が聞ける人で、みたいな)部分のほかは最後までほぼ分からなかった。まだ、ギデオンやウォルターのほうがどういう人間なのか察せられた気がする。あと、マリーね。マリー、好きだった。ジャネール・モネイのクールなまなざし、かっこいい。『ルース・エドガー』のオクタヴィア・スペンサーといい、『ドリーム』組、順調だな。
にくそん

にくそん