バルバワ

ハスラーズのバルバワのレビュー・感想・評価

ハスラーズ(2019年製作の映画)
4.2
愛聴しているラジオ番組《アフター6ジャンクション》で紹介されており、あまりに面白そうだったので鑑賞を決め、意を決して奥さんa.k.a.ビックマムに直訴。するとあっさり快諾してくれました。

優しくされたいが、いざ優しくされるとちょっと恐い…それが隠れシネシタンだッ!

いやぁ、ぶっ!"舞"というより"武"。ナンダァ?テメェ…( ´Д ■💢)

あらすじは家族の為、自分の為、金を男達から巻き上げて上機嫌になったり、不機嫌になったりするアウトローなストリッパー達の物語!…的な感じです。

【エロカッコいいというよりカッコいい】
ポールダンスやストリッパーと言えば間違いなくエロくてカッコいいイメージがありました。しかし冒頭、No.1ダンサーのラモーナ…いやさラモーナ様が披露した激しいダンスはエロスを感じず、むしろあまりのカッコ良さとみなぎる生命力に主人公のデスティニーちゃん同様に観とれてしまい、股ぐらではなく胸が熱くなりました。

【ストリップという人心掌握術】
そんな店の強さランキング1位のラモーナ様の相手取る客は調子ぶっこいている証券マン達であり、奴らは経済を自分達が掌握しコントロールしていると思い込んでやがり、ストリップ小屋でもラモーナを見て選んでやっているというスタンスなのですが、実はコントロールしているのはラモーナ様だったのです。
証券マンのランクに合わせて立ち振舞いを変え、仕草や表情を読み取り駆け引きをし、その場を支配する…試合の組み立てが異常に上手い格闘家の如く!スゲー( ゜Д゜)

【魅力的なキャラクター達】
今まで帝王ラモーナ様について話してきましたが、それ以外にも素敵なキャラクターが今作にはたくさんいます。
お婆ちゃんと娘LOVEラモーナ様の懐刀デスティニーちゃん、とにかく刑務所にいる彼氏に弁護士をつけたい女子メルセデスちゃんや何時でも何処でも吐ける女アナベルちゃん等々とにかく濃いッ!
彼女らが並んで歩くシーンは東映のヤクザ映画のようでした。
あと、そんな彼女らの手口(←後述)に面白いように陥る男達もバカで最低で最高でした。中には彼女らに三回も引っ掛かり挙げ句「他の人が私と同じ思いをしてほしくないッ!キリッ( ・`д・´)」とドヤ顔で語るオッサン…正気じゃない。

【思う通りにいかないというリアリティ】
さて先ほどちょっと触れました、ラモーナ様達が男達を陥れる手口が法律的にも倫理的にもアウト。
しかし、最初は笑いが止まらないくらい上手くいき調子に乗りまくり全てをコントロールした気になった彼女ら、しかし世の中そんな甘くなく最終的にはトラブルと内輪揉めの目白押しでした。結果「やっぱりね…」という感じに着地。シカタナイネ…( ´~`)

【総括】
音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが今作のテーマをコントロールと仰っていました、証券マンのバカ男達もラモーナ様達も金や人をコントロールしようとした結果、ハッピーエンドにはならなかったワケですね。
しかし、これはコラムニストのジェーン・スーさんの今作への感想ですが「じゃあ、彼女達はどうすればよかったのか」と仰っていて複雑な気分になりました。

【最後に】
調子に乗って、全てをコントロールした気になった人間は痛い目を観る映画を観たのに調子に乗って次の日『A.I崩壊』を隠れシネシタンした私。
実家の犬の世話をするという完璧なアリバイ工作して妻の監視をコントロールした気になった私についに…ついに天罰が下ります!
それは『A.I崩壊』のレビューで書くとしましょう。ん?興味ない?
…書かせてくださいOrz
バルバワ

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