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スミス都へ行くのクレセントのレビュー・感想・評価

スミス都へ行く(1939年製作の映画)
4.1
米議会法第5条第3項にはこう書かれていた。会議に出席する議員が定数割れの時は、出席する多数党議員は欠席議員に対して出席を命じる権利があると。そこでジェフ・スミス議員は議長に要求し、議会は再開した。彼はペイン議員を見つめながら言った。このことは失われた大義(ロスト・コーズ)ですよ、議員はよくご存じのはずです。戦う価値のある唯一の大義であることを。貴方もかっては命を懸けて戦ったはずです。その理由はただひとつ。隣人を愛せです。憎悪に満ちたこの世界で貴方はこの心理を信じた。そうだったはずです。違いますか、ペイン議員? 父も私もそんな貴方を愛しました。失われた大義のために命を捨てる覚悟で戦ったからです。ですから私も同じです。負けたくない、引きたくないのです。この失われた大義を取り戻すために。このような嘘を山ほど積まれても、テイラーたちがどんなに潰そうとしても誰かが聞いてくれるまでは戦います。議会法では彼は話し続けなければならなかった。座ることも許されなかった。そう言い切るとジェフは疲労困憊で倒れこんだ。議会は大騒ぎとなった。その騒ぎの中、居たたまれなくなったペイン議員はそっと会議場を抜け出した。それはある行動をとるためだった... 1939年に制作されたフランク・キャプラ監督によるこの作品は米国の在り方を質す硬派な作品として翌年のアカデミー脚本賞に輝いた。政治と金、権力争いは今でも続いている。
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