「回れば何とかなる」だけ知っておいてよかった。
これかー！となってテンション上がった。
シン・ゴジラと違ってどうもこれは明確にオマージュが拾える人の為の映画みたい。
オープニングの禍特隊の相手した禍威獣はウルトラQ由来らしいし、ウルトラマン本編からも細かいオマージュやパロディの連続みたいな構成になっているっぽい。
その点からもメインストーリーの流れは、上手くシリーズ全体の流れを抽出して１つの映画としてまとまっている。
デカい変更点としては融合した人間・神永の意識が無く主役がウルトラマン(リピア)自身な点くらいか。
神永に命を分け与えるシーンをバッサリカットしてて、後追いで神永の謎を追うサスペンス構成になってるのは見やすく工夫されてる。シナリオ構成としては結構トリッキーな事やってるけど、まあウルトラマンのあらすじは殆どの人が知ってる訳だから命を助けるチープなシーンを回避しつつ興味を持続させるように上手い事やってるよな。
展開はサクサク進むんでテンポがいいし、シチュエーションも目まぐるしく変わるんだけど、展開に関してもウルトラマンやヒーローもののお約束を知らないと結構置いてかれる印象は強い。
禍威獣が来ました→倒しますの流れをほとんど繰り返さず、ヒーローものの思考実験をガンガン進めてしまうので、文脈を知ってる人にとってはストレスがないが、何も知らないでいくと、ウルトラマン全然戦ってないやんとか勝率低くね？って気持ちになるかも。中盤以降、RPGでいうイベントバトルしかやってないもんな。ザコ戦が一切ない。
と批判めいたものをいっぱい書いたけど、特撮オタクや原作が刺さるおじさん向けなのは分かりきってたので変な感じはしないです。需要に応えたロジカルでスマートな脚本だ。
