えいがうるふ

マーティン・エデンのえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

マーティン・エデン(2019年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

全編を通し純文学らしいクラシックな作りで、回りくどくも重厚な展開がずっしりお腹にたまる後味を残す。さらに、その作品性を正当に評価できる素養と教養をお持ちのレビュアーの皆様の高尚な文章を読んでいたらますますお腹いっぱいに・・・

自分はこのままでは胃もたれ&消化不良になりそうなので、いっそ思い切り下世話な視点で眺めてみる。と、主人公はめっちゃ色男で愛に飢え文学に目覚めた後はその目指すところの志に比例してプライドも高く、それでいて繊細すぎてすぐ激昂し、いつも悲壮な表情で孤高の存在の痛々しさを体現。当然モテまくるが愛した女性をすべからく不幸にする付き合っちゃいけないタイプ・・・という人たらし文豪キャラとしてはイタリア版太宰治みたいにも見えてくる。案の定、成功するほどにどんどん人相が悪くなっていく様が痛々しかった。

ただ、いかんせん話の展開の緩急が妙に唐突で、長々とメロドラマを見せられ眠くなるかと思いきや突如成功して大金持ちの大作家になっていたり、後半に行くほど置いてけぼりを喰らいがち・・・。
残念ながら私向きの作品ではなかった。