Jaya

地獄の黙示録 ファイナル・カットのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ウィラード大尉がカンボジアの奥地にいるという狂ったカーツ大佐を暗殺しにいくお話。ファイナル・カット版の違いがよく分からない…。

映像美というよりも映像のスケールが凄まじかったです。でも劇伴はイマイチな印象。「ワルキューレの騎行」は素晴らしかったですが。

ウィラードがハマりまくっていました。漂う倦怠感や、徐々に失望を募らせる様が見事でした。ギルゴアとの銃撃シーンには迫力に反して爽快感はなく、ギルゴアのイカれっぷりも合わせて、戦場の現実を目の当たりにしているよう。

補給所での浮かれ騒ぎからのベトナム人殺害のシーンは緊張感が素晴らしい。そしてフランス人農園、その後の指揮官不在の戦闘と、戦争の欺瞞を丁寧に暴き出し、眼前に叩きつけられるようでした。

肝心のカーツ発見からの流れはイマイチでした。戦争、ひいては人間そのものの欺瞞とそれへの失望は良いとしても、その答えが現地の未開な野蛮人に純性を見たというのでは結局何も変わってない。

ウィラードはその答えに染まらずカーツを殺すのですが、そもそもカメラマン以外の教化された現地人の描き方がかなり陳腐で共感できませんでした。

重厚なテーマを損なうことなく戦場生々しく描き出すことで、生そのものの生々しさをも浮き彫りにした名作でした。
Jaya

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