日常の淡々とした暮らしがスパッと切り取られている。
登場人物たちの過去も未来もほぼほぼ情報がない。
同じまな板の上に並んだ瞬間がすべてだ。
コミュニケーションの居心地悪い瞬間があまりにも細かくてリアルなので、こちらまで気まずさが伝染してくるが不思議と心地よい。
生活とは、ドラマチックなことも些細なことも同じように誰の上にも巡ってきて、自分の中では強弱を感じていても時間とか空間の中ではただただ流れていくだけという、残酷なような優しさのようなものなんだなと、とりとめもなく感じた。
ヘアメイクは単に想像で、狙ったものなのかはわからないが、プロが施した感がないナチュラルさで。
そういう創作の影がみえないというのも、地続き感に惹き込まれた要因のひとつだと思う。
下北沢は一時期住んでいた街で、あの頃の心の柔らかさみたいなものが蘇ったら嫌だなと恐れながら行ったけど、今もあの街は変わらず息づいていることが知れたからか、すんなりと受け止められてよかったというどうでもいい個人の感想。