orangejuice

バビロンのorangejuiceのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.3
すごく混沌としているけれど、気づいたらストーリーに巻き込まれていて次の展開が気になっている。
混沌(2度目)さがとにかく強くて目を背けたくなるシーンも数々あったけれど、実際に映画の世界で激動の時代を駆け抜けた人たちにとっては、こんなふうに清濁併せ呑むことが当たり前だったのかもしれない。
作品を作る過程でのドロドロも達成の瞬間もどちらも苦しくて眩しくてドキドキするほどリアルだった。
本来の自分であるがままに自信に満ちていた頃のきらめきと、時代の流れによって求められるものは変わり続ける中での葛藤や苦しみ。そう言った心情がどっぷりと表現されているわけでもなく、狂乱みたいな部分の描写が印象としては大きいのに、やはり心に残るのは人と人との繋がりだったりするから不思議だ。
めくるめく世界観、その世界行きのジェットコースターに乗せられたかのように没入させてもらえた。
この映画に描かれた世界が夢なのか、この現実が夢なのか、と観賞後少し戸惑う瞬間があった。こんな経験をさせてもらえるのは確実に映画だからこそなし得るものだと改めて思う。
orangejuice

orangejuice