翔海

街の上での翔海のレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.1
歯切れの悪いカミソリのよう。

下北沢に住み古着屋で働いている荒川青の行動は大体いつも一人。生活圏である下北沢から出ることなく、古本屋に行ったりライブを見に行ったりと大きな変化のない日々を過ごしいた。そんな荒川青にも悩みがある。振られた彼女のことが忘れられないこと。無理矢理別れを告げられた彼女のことを忘れられずにバーのマスターに愚痴をこぼしたりしていた。ある日、店番をしていた彼に美大生から自主映画の出演をお願いされる。演技に自身もなかった荒川青だったが、ひょんなことから出演することになる。そこで出会った美大生の城定イハと初対面なのに意気投合し、これまでの恋愛のことを語り明かした。そこから止まったままだった荒川青の時間が少しづつ動き始める。

下北沢の街の上で送られる日常たち。
何の変哲もない日々にも沢山の出会いはある。下北沢に住む人達にフォーカスを当ててそれを俯瞰的に観れる作品となっている。お店で買い物をして行った若者やライブ会場で優しくしてくれたお姉さん、たまたま参加した自主映画の打ち上げで出会った美大生。一人で行動することが多い荒川青にとってはそういう出会いたちが彼を成長させているのかもしれない。人が成長できるものは沢山あるけど、知らない人との出会いもその一種だと私も思う。小さな出会いも大切にしたいとこの作品から教えられた気がする。

まるで下北沢に住んでるかと錯覚してしまう。
この作品では下北沢の街での出来事がメインになっているからか、あたかも住民の気持ちになっていた。下北沢は様々なカルチャーに優れた街であり、娯楽も沢山あって住んでいて飽きなさそうと思った。古着屋さんも沢山あって、私は小田急線の古着屋さんによく行くので東京で住むなら小田急線沿いに住みたいなって思ってしまった。私は一人暮らしだが、住んでいるのは埼玉である。8月に引っ越したがそれも埼玉。家の周りは栄えていないから買い物も娯楽も東京に行くことが多い。家賃を考えて今のところに住んでいるけど、周りの環境を踏まえると多少家賃が高くても栄えてるところに住むのが良いのかなって思ってきている。間違いなく言えるのはこの作品の影響で下北沢の家賃は上がったはずということ笑
翔海

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