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2人のローマ教皇のMoviePANDAのレビュー・感想・評価

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)
4.0
『 PRIDE🥋 』

この言葉を冠した総合格闘技イベントがありますが、この映画はまさに自尊心のぶつかり合いを言葉の応酬で描いた格闘技の様相💥 予告を観た時から楽しみにしてて、ただ会話劇であるという事に少し臆する自分もいたのですが、観てみたらそんな心配露知らずな面白さでした🐼

映画はホルヘ(現フランシスコローマ教皇)と、前ローマ教皇であり現名誉教皇であるベネディクト16世の対話を軸に描かれます。ただ、実はこの対話そのものが脚色であり、あい変わらずこの監督はその辺のイジリ方がうまいというか、そこよりも映画としての面白さとそこに込めるメッセージ性を優先してるなぁと感心させられます。(ただ、最後の最後で直接的なメッセージ表現になったとこは実に惜しい💦)

カトリック教会ですら、そこはやはり組織であり権力争いの現場。どこの業界、もしくは会社やサークル等でも起こりうる争い事が、例え聖職者達であっても起こるという現実。こんな人達でもこうなんだから「そりゃ戦争は無くならんよなぁ」なんて思いつつ、この映画ではそこにおける人間らしさと赦(ゆる)しによる尊びを描いてます。

でも、そこが実にいい❕
立場上、保守(まも)らなければならないベネディクト16世の立場も解るし、変革の必要性を訴えるホルヘの言いたい事もよく解る。先日観た『フォードvsフェラーリ』もそうだった様に敵は実は内にいるわけで、そこをまずは解決しない限り組織として一枚岩になれるわけがない!という風に見ればむしろ全然難しい話ではなくて、新たな一歩へ踏み出す勇気をもらえるとてもいい映画だと思いました🏃💨

本人に見えてくるSirアンソニー・ホプキンス御大もさることながら、ジョナサン・プライス様はホントに素晴らしかった😳 心の揺れ、それによる苦悩の表情。そして「この人なら...」という御大に対する聖職者ならではの希望。元々好きな俳優さんなのですが、素晴らしい名演でした。パイレーツもこの人が出てた3作目までが面白かったよなぁ(*´-`) あと、音楽が全編に渡って素晴らしかったのと、とりあえずこの映画を観たらピザが食べたくなるでしょうw🍕✨

最後に...
自分に言い聞かせる様な
「涙が流れるなら
うれし涙でありますように」
という言葉。このシーンが凄く良かった!観ていて思わず涙が溢れました😢
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